むーちゃん(以下M)「拡張ISO感度というのは、いったい何者なんでしょうか?調べて見ても、その意味や使い方が見つからないんですけど……」

ケンケン(以下K)「それもそうじゃろうな……拡張ISO感度というのは、簡単に言うとメーカーさんが「使えない事は無いけど、使いたければどうぞ」と言っているISO感度域のことじゃよ」

M「何ですか?それは(笑)」

K「今流行の、ワケあり商品みたいなモノじゃな(笑)」

M「結局、ISO感度の「拡張」というのは「訳あり」と言う意味なの?」

K「その前に、むーちゃんはISO感度が3種類あるの知ってた?」

3つのISO感度

  1. ISOベース感度(基準値)画質を優先した一番低感度
  2. ISO常用感度ノイズが許容範囲に納まっている
  3. ISO拡張感度ノイズは増えて画質が劣化するが撮影には差し支えない

M「どれも始めて聞きました」

K「フィルムはISO100とかISO400とか、それそぞれのISO感度のフィルムが開発されて使われていたは知っておるじゃろう?」

M「ええ、聞いたことあります」

K「でも、デジカメのイメージセンサー(撮像素子)は交換出来ないので、センサーの信号を増幅してISO感度を上げているのじゃよ」

M「ふむふむ。確かにフィルムみたいに、その都度交換できないですね」

K「ところが、感度を増幅して上げるほど、見えなかった小さなノイズも一緒に増幅されて見えて来るのじゃ。これがいつも言っている「高感度ノイズ」じゃな」

M「ああ!それでISO感度を上げるほどノイズが目立ってくるのか……」

「ISOベース感度(基準値)」とは?

K「なので、最近は高感度域を強くするために、最初はベースとなるISO感度(基準値)を高めに設定しておるのじゃ。それが一番最初の「ISOベース感度(基準値)」と言うモノじゃな」

M「なるほど……それが前にケンケンから聞いた、最近はISO200位と言う事ね」

K「そうじゃやな。困ったのは、増幅してISO感度を上げる事は出来るけど、下げることはなかなか難しいのじゃ」

M「それで、前回私はISO感度が100とか50に下げられなくて困ったんです」

K「ISOベース感度(基準値)」は、画質を優先した一番低感度と言われているけど、最近は高感度特性を上げるためにISO200位まで上がってきているのじゃ」

「ISO常用感度」とは?

M「次の「ISO常用感度」というのは?」

K「これは簡単じゃ。メーカーさんが「この位のノイズながら問題ないでしょう」と思った感度域じゃよ」

M「なるほど……私のカメラはISO200から1600までだわ」

K「大体「ISO感度オート」の設定範囲が「常用感度」というカメラが多いのじゃよ」

「ISO拡張感度」とは?

M「最後の「ISO拡張感度」というのは?私のわからなかったのはコレなんです」

K「これが例のワケあり感度域じゃな(笑)メーカーさんが「ノイズは増えてお見苦しいですが、撮影には差し支えないのでお使いください」と判断した感度域じゃよ」

M「非常にわかりやすい説明です(笑)これは、私のカメラだとISO3200、6400、12800、25600だわ」

K「そうそう、意外と知られていないけど「ISO拡張感度」はノイズが多い以外に、カメラによってはこれだけ制限があるのじゃよ」

「ISO拡張感度」の利用条件

M「へぇー意外と不便なんですね」

K「だから訳あり感度域なのじゃよ(笑)」

M非常用のISO感度域って感じですかね」

K「そのとおりじゃな。面白いのは、「常用感度」と「拡張感度」は、特に規格や定義は無く、メーカーさんが独自に決めているのじゃよ」

M「と言う事は?」

K「無視することも出来ると言うことじゃよ」

M「ん?どういうこと?」

K「メーカーのお仕着せではなく「常用感度域」と「拡張感度域」の境目は、自分で決めても良いと言う事じゃ」

M「この位のノイズならまだ「常用感度域」とか、この位ノイズが出たらからもう「拡張感度域」とか?」

K「そういうことじゃ。ただし、ちゃんとテスト撮影してから、風景やスナップやスポーツやポートレートなどシーンごとに決めておくと良いのじゃよ」

M「それ、凄く良いアイディアです。いただき!」

むーちゃんの3つのISO感度のまとめ

  • ISO感度には、3つの分類がある。
  • 「ISOベース感度(基準値)」とは、画質を優先した一番低感度。
  • 「ISO常用感度」とは、ノイズが許容範囲に納まっている感度域。
  • 「ISO拡張感度」とは、ノイズは増えて画質が劣化するが撮影には差し支えない感度域。
  • カメラによっては「ISO拡張感度」に機能制限があるので注意。
  • 「常用感度」と「拡張感度」は、メーカーが独自の基準に決めている。
  • 「常用感度」と「拡張感度」は、シーンごとに自分の目で見て決めるのもアリ。