むーちゃん(以下M)「私のデジカメは手ぶれ補正機能はシャッター速度5段分の効果があると聞いたのですが、どういう意味なの?」
ケンケン(以下K)「例えば、シャッター速度1/125秒で手ぶれを起こすしたとしたら、えーと、えーと、1/4秒まで手ぶれを補正できるという意味じゃな」
M「えーと、1/125秒、1/60秒、1/30秒、1/15秒、1/8秒、1/4秒の5段分という意味か……本当にそんなに遅いシャッター速度でブレないんですか?」
K「みんな良く勘違いするのじゃが、手振れ補正機能はあくまでブレの補正なのじゃ。起こった手ブレを小さくするだけで完全に除去はできる保証はないのじゃよ」
M「ん?どういう事?」
手ぶれ補正機能では、手ブレも被写体ブレも防止できない
K「つまり手振れ補正機能はあくまで補正で、手ブレを防止する機能ではないということじゃ。手ブレを防止したければ、三脚を使うか動かない物にカメラを固定するしかないのじゃよ」
M「なるほど……それに被写体ブレは、手ぶれ補正機能でも補正できませんよね?」
K「そのとおりじゃな。被写体ブレで思い出したが、流し撮りの時は手ぶれ補正機能を効かせていると上手く行かないので注意が必要じゃな」
M「それなんですが……私のデジカメには、流し撮り用の手ぶれ補正機能というのが付いています。左右のブレは補正しないで上下のブレだけ補正されるみたいです」
手ぶれ補正機能は、人がカメラを持った振動以外は補正できない
K「それはすごいのう……ところで、手ぶれ補正機能は人間がカメラを手に持ったときの振動を前提にチューニングされておる。だから、一脚を使用したり、乗り物の中から撮影すると逆にブレが大きくなる場合もあるのじゃよ」
M「ええ!そうなの?そういえば取扱説明書には、三脚にカメラを固定した場合は手ぶれ補正機能をOFFにしなさいと書いてあったのを思い出しました。そう言う事だったのか……」
K「つまり、手ぶれ補正機能は、人間がカメラを手に持ったときの振動以外の振動には正常に作動しないということじゃよ。ここは重要なポイントじゃな」
M「手振れ補正機能はいつもONにしてるけど、意外と面倒なんですね……」
K「なので、ケンケンは「特別の時」以外はOFFにしておるのじゃよ」
M「それで困らないなら、私もOFFにしておこうかな……」
K「ケンケンは手振れ補正機能なんて発明されてなかったフィルムカメラの時代が長かったかなのう……通常の撮影では手振れ補正機能が無くて困ることはないのじゃよ」
M「なるほど……ところで、その「特別な時」というのが気になるんですけど……(笑)」
手ぶれしないシャッター速度の目安は「1/レンズの焦点距離(フルサイズ換算)」以上
K「手ブレを起こす可能性がある時じゃな。例えば三脚や一脚が使用禁止の状況とか……」
M「確かにそれ以外の時は、手振れ補正機能は必要ありませんね。でも一つ気になるのが、手ブレを起こす可能性がある時って自分でわかるものなの?」
K「昔からレンズごとの手ブレの目安と言うのがあるのじゃよ。それを下回ると昔は手振れ補正機能は無かったので一脚か三脚を使用していたのじゃ」
M「ええ!手ブレが起きるか事前にわかるんだ……」
K「手ぶれしないシャッター速度は「1/レンズの焦点距離(フルサイズ換算)」以上と言われておるのじゃ。たとえば、標準レンズの50mmならシャッター速度は1/60秒以上……」
M「28mmなら1/30秒以上?100mmなら1/125秒以上?」
K「そのとおりじゃよ、すごいな(笑)一つ注意しなくてはならないのが、レンズの焦点距離は35mmフルサイズの画角に変換して考える事じゃ」
M「それ、前に習いました。私のカメラはマイクロフォーサーズ規格なので、ちょうど2倍にすれば良いんですよね?25mmが50mmと言うように……」
K「そのとおりじゃ、APS-C規格のレンズは1.5倍じゃな。もちろんフルサイズの規格はそのままで良いのじゃ」
M「凄く良いことを聞きました」
K「ただ、個人差もあるし、最近の高画素数のデジカメだとブレも目立ちやすいので「1/レンズの焦点距離(フルサイズ換算)×2」を基準値にしておくと更に安心じゃな」
M「ケンケンありがとう!また、一つデジカメの知識が増えました」
むーちゃんの上達のポイント
- 手振れ補正機能は、手ブレを防ぐ機能ではない
- 手振れ補正機能は、起こった手ブレを小さくする機能である
- 手ブレを防止したければ、三脚を使う
- 流し撮りの時は、手ぶれ補正機能を切るか専用機能に設定
- 手ぶれ補正機能は、人がカメラを持った時の振動以外は補正できない
- 三脚使用や乗り物からの撮影時は、手ぶれ補正機能を切る
- 手ぶれしないシャッター速度の目安は「1/レンズの焦点距離(フルサイズ換算)」以上