むーちゃん(以下M)「私はズームレンズしか使ったことが無いんですが、単焦点レンズと比べてどう違うんですか?」
ケンケン(以下K)「そうか、むーちゃんが写真を撮り始めた頃は、もうズームレンズが主流になっていたんだね」
M「はい、今のデジイチを買った時も、最初からズームレンズがセットになっていました。昔は違ったんですか?」
K「ケンケンがフィルムで写真を撮っていた80~90年代は、まだズームレンズは特別な用途でしか使われてなかったんだよ」
M「それはどうしてなの?」
K「その前にズームレンズと、画角の変えられない昔ながらの単焦点レンズのそれぞれの特徴を書いてみよう」
ズームレンズの特徴ー描画力より機動性を重視
- ズームできるので画角が自由に変えられる。
- 頻繁なレンズ交換の手間から解放される。
- レンズ交換時のシャッターチャンスを逃さない。
- 構図をつくるのにフットワークを必要としない。
- 暗いレンズ(解放絞り値(F値)が暗い)が多いので、暗いところでの撮影が苦手。
- 高倍率ズームになるほど、光学的に無理な設計となり描画力が落ちる。
- レンズ感覚が身につきにくい。
単焦点レンズの特徴ー描画力と明るさを重視
- 明るいレンズ(解放絞り値(F値)が明るい)が多いので、暗いところの撮影に強い。
- 高価で高画質にこだわったレンズが多い。
- フットワークで撮るのでレンズ感覚が身につく。
- ズームできないので画角が変えられない。
- 画角が変えられないので、撮影者が前後に動いて構図をつくる。
M「なるほど、なるほど……レンズの使用目的が全然違うんですね」
K「特に、キット販売のズームレンズは廉価版が多く、描画力よりも低価格と使い勝手を優先してあるんだよ」
M「わぁ!私のレンズはそれだわ……そのレンズじゃ良い写真撮れないんですか?」
K「レンズの描画力は、写真を評価する上での1つの要素に過ぎないから気にすること無いよ。それに決して描画力が悪いと言う訳ではなく、単焦点の描画力に及ばないというだけなのじゃ」
ズーム倍率
M「ああ、良かった……ところで、よくお店で3倍ズームとか書いてあるのは何なんですか?」
K「あれは、「ズーム倍率」じゃよ」
M「ということは、モデルの顔が実際の3倍に撮れるって事?」
K「むーちゃん、それは「撮影倍率」と勘違いしておるな(笑)」
M「え?違うの?」
K「「ズーム倍率」というのは、一番広く写るところ(広角)から一番大きく写るところ(望遠)までの差じゃよ」
M「ということは、私のズームレンズは14mmから42mmなので、42/14=3でちょうど3倍ズームと言う事で良いんですか?」
K「そのとおりじゃ!キットレンズの標準ズームは大体どこもみな3倍ズームじゃな」
M「そうなんですね、安心しました」
K「ズームレンズを使う時に、特に望遠側は遠くを写すという感覚ではなく、広角側の画面の一部を光学的に切り取っている(フレーミング)と思って使った方がいいだろうね」
M「それは、どうしてなの?」
K「その方が「レンズ感覚」を身につけやすいからじゃよ」
M「ZZZZZZ」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- ズームレンズは、描画力より機動性を重視した設計。
- 単焦点レンズは、描画力と明るさを重視した設計。
- 「ズーム倍率」というのは、広角側から望遠側までの差を倍率で表示。
- ズームレンズの望遠は広角側の画面を光学的にトリミングしている。