三脚の使い方

 

むーちゃん(以下M)「三脚の使い方って、意外にどこにも書いてありませんね。取扱説明書でさえも書いてないです」

ケンケン(以下K)「そう言われてみるとそうじゃな。よし!では、今日は三脚の正しい使い方の話をしよう」

M「どんな面白い話が聞ける事やら(笑)」

K「まず三脚の使い方の前に、三脚のNGシーンの話からしておくのじゃ」

三脚が使えないシーン

  • 三脚使用禁止場所
  • 風(特に突風)の強い時
  • 流れのある川の中

M「おっと、三脚の使い方ではなく、使えない方ですね(笑)」

K「「三脚使用禁止」で三脚が使えないのは当たり前じゃが、最近は禁止の指定箇所がどんどん増えておるのじゃよ」

M「確かに、人ごみのある場所は三脚使用禁止ばかりですね」

K「次が「風の強い時」じゃな。普段使い慣れて安定した三脚でも、特に突風の時はあっけなく倒れてしまうので危険じゃな」

M「もしも倒れた事を考えると、カメラもレンズも壊れてしまいますね。そう考えると怖いですね」

K「泣くに泣けんじゃろうな(笑)」

M「最後の「流れのある川の中」って何ですか?」

K「良くメイキング映像で、流れのある浅瀬の川の中に三脚を立てているシーンを見かけるが……」

M川の流れで三脚がブレないの?」

K「実際やってみるとわかるが、そのとおりじゃよ。何のために三脚を立てたのかわからない状態になるのじゃ」

M「川の中からだったら、手持ちで撮影した方がマシかもしれないわね」

K「そうじゃな。それに、三脚を水につけるとパイプの中が浸水して、後で渇かすのが大変じゃろうな」

三脚の使用目的

  • 三脚がないと撮れない写真を撮るため
  • カメラを長時間固定したいとき
  • 夜景、花火、超望遠、マクロ、HDR等の撮影
  • スローシャッターを切りたいとき
  • 手ぶれを防止したいとき
  • 正確なフレーミングをしたいとき
  • 同じフレーミングで何枚も撮りたいとき
  • 水平・垂直をキープしたいとき

M「上の2つは何ですか?当たり前すぎます(笑)」

K「でも、次に話すことは大切なことじゃよ」

三脚は構図を決める道具ではない

M「え!使い方はまだですか?(笑)」

K「これだけは言っておきたいのじゃ。三脚を立ててから、移動したり雲台を動かして構図を決めている人があまりにも多いのじゃよ」

M「それは不自由ですね。先に構図を決めてから、三脚を立てなさいと言う事ね」

K「そのとおりじゃ。その時に次の要領で進めるとスムースにいくのじゃ」

三脚を立てるまでの段取り

  1. 「指フレーム」で、アバウトにレンズの焦点距離と構図とアングルを決める。
  2. 撮影するカメラとレンズで、正確に構図とアングルを決める。
  3. 最後に、決めた位置に三脚を立て、高さやアングルを微調整する。

M「なるほど……こういうときこそ前に教えてもらった「指フレーム」が活躍しますね」

K「そうじゃな。構図とアングルを決める時は、フットワークでこなすんじゃぞ」

M「はーーーい」

K「さてと、いよいよ三脚の使い方じゃが、むーちゃんは三脚にちゃんと向きがあることを知っていたかな?」

M「ええ!そうなの?どの脚が前でも後でも同じじゃないの?」

K「よく見てごらん。3本の脚の中に1本だけロゴやメーカー名が書いてある脚があるじゃろう?」

M「あ!本当だ。1本だけ印刷してありますね」

Kその脚がフロントで、一番前に出るように立てるのじゃよ」

M「その向きだと何が違うの?」

K「エレベーターのレバー等が正しい位置に来るのじゃよ。立て方の手順は次のとおりじゃ」

三脚の正しい立て方

  1. まずはフロントの脚を1本だけ伸ばして1脚にする。
  2. あらかじめ決めた高さやアングルに、雲台やセンターポールを調整する。
  3. 残りの2本の脚を伸ばして、三脚を立てて安定させる。
  4. 最後に雲台にカメラをしっかりと取り付ける。

M「へぇ~三脚の立て方に、こんな御作法があったなんて(笑)」

K「実はまだまだ、三脚の御作法は続くのじゃ」

三脚の伸ばし方

  • 太い脚から伸ばして使う。
  • センターポールを伸ばすのは最終手段

M「この順番は、三脚の強度のためね」

K「そのとおりじゃよ。雲台側の太い脚から伸ばしていって、最終的に全部伸ばし切らない時は、一番細い脚で高さを調整するのじゃ」

M「確かに強度が失われませんね」

K「御作法にうるさい人は、全ての脚を伸ばしきらずに少し残して固定するらしいが、上には上がいるものじゃな(笑)」

M「それだと、3本の脚の長さを揃えるのが面倒ですね」

センターポールは非常用

K「最後になったが、センターポールをエレベータで伸ばして使うのは、非常用と考えた方が良いのじゃ」

M「つまり、脚を全部出し切ってもまだ高さが足りない時だけに使うという事ね」

K「そうじゃな。センターポールを一杯伸ばしてようやく理想の高さになる三脚は、脚の長さが短すぎると言う事じゃな」

M「それって、まるでケンケンみたいですね(笑)」

むーちゃんの三脚の御作法

  • 三脚NGシーンに注意しよう。
  • 三脚があると便利なシーンを知る。
  • 三脚は構図を決める道具ではない。
  • 三脚は構図とアングルを決めてから立てよう。
  • 三脚の正しい立て方を覚えておこう。
  • センターポールの使用はなるべく控えた方が良い。