むーちゃん(以下M)「私のカメ吉はレンズの中に手ぶれ補正機能が付いているみたいなんですけど、それだとレンズを交換した場合は手ぶれ補正機能が効かなくなるんですか?」
ケンケン(以下K)「交換したレンズによるね。交換したレンズに手ぶれ補正機能が付いていないと、残念ながら手ぶれ補正はできなくなるのじゃ」
M「ええ~じゃあ、交換レンズを買うときは手ぶれ補正機能が付いたレンズを買わないとならないのか……高く付くんじゃないですか?」
K「手ぶれ補正機能は、大きく分けて2つあるのじゃ。ひとつは「レンズシフト式手ぶれ補正(レンズ内手ブレ補正)」というレンズの内部で補正するタイプで、もうひとつは、センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」というカメラボディの内部で補正するタイプじゃ」
M「なんだか、どっちかにして欲しいですよね……」
K「どちらかに絞れないのは、お互いに良いところと悪いところがあるからなのじゃよ。わかりやすくまとめてみよう」
レンズシフト式手ぶれ補正(レンズ内手ブレ補正)の特徴
- シャッターを切る前にファインダーを覗いている時も手ぶれ補正の効果が出ている。
- カメラボディ側には手ぶれ補正機能が付いていないので、レンズごとに手ぶれ補正機能が付いた物を買わなくてはならない
センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)の特徴
- シャッターを切るまで手ぶれ補正が実行されないので、撮影中ファインダーの中の像がブレ続ける。
- その結果、手ぶれ補正後に構図がずれる恐れがある。
- ただし、ミラーレス一眼のセンサーの像をファインダーで見る事の出来るEVF(電子ビューファインダー)やライブビューの像は、手ぶれ補正効果の効いた像を見る事が出来る。
- レンズ本体に手ぶれ補正機能が付いていなくても、取り付けられるレンズであれば全て手ぶれ補正ができる。
M「確かにどちらも一長一短ですね……」
K「特に「センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」の、シャッターを切るまで手ぶれ補正が実行されないのは困るじゃろう?」
M「おそらく望遠レンズになるほど手ブレで被写体を捉える事すら難しくて、ピントや構図どころではなくなりますね」
K「そのとおりじゃな。そのために三脚や一脚が必要になるなら、何のための手ぶれ補正か本末転倒じゃな」
M「だから大きい一眼レフカメラは、ファインダーを覗いている時も手ぶれ補正の効果のある「レンズシフト式手ぶれ補正(レンズ内手ブレ補正)」を採用しているんですね」
K「ただでさえ大きい一眼レスカメラの望遠レンズが、手ぶれ補正を付けることで更に大きくなるのは仕方のないことのじゃ」
M「でも「センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」の、取り付けられるレンズであれば全て手ぶれ補正が効くのは魅力的ですね」
ミーラーレス一眼の手ぶれ補正、利点と問題点
K「今話していて、ミラーレス一眼には良い点と悪い点があることに気づいたのじゃ」
M「ええ!なになに?」
K「まず良い点じゃが、ミラーレス一眼のセンサー像をファインダーで見る事の出来るEVF(電子ビューファインダー)やライブビューの像は「センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」でも、手ぶれ補正効果の効いた像を見る事が出来るのじゃ」
M「うんうん、確かにそれは便利。それで悪い点は?」
K「むーちゃんの使っているミラーレス一眼のマイクロフォーサーズ規格じゃがな……」
M「確か、同じマイクロフォーサーズ規格なら、カメラボディとレンズを使い回せるんですよね」
K「そのとおりじゃが、ボディとレンズの組み合わせ次第では、手ぶれ補正が効かなくなることもあるのじゃ」
M「そんなの初めて聞きました……」
K「現在マイクロフォーサーズ規格のカメラボディーを生産しているのは、OLYMPUSとPanasonicだけなんじゃが……Panasonicは「レンズシフト式手ぶれ補正(レンズ内手ブレ補正)」を採用して、一部の機種を除いてカメラボディ側に手ぶれ補正機能を備えていないのじゃ」
M「OLYMPUSは?」
「OLYMPUSは「センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」を採用して、レンズには手ぶれ補正機能を備えていないのじゃよ」
M「ということは?」
「手ぶれ補正機能の付かないPanasonicのカメラボディに、手ぶれ補正機能の付かないOLYMPUSのレンズを使った場合、当然ながら手ぶれ補正機能は全くない状態になってしまうのじゃ」
M「ええ?そうなんだ……」
K「他のレンズメーカーがマイクロフォーサーズ規格のレンズだけを生産販売しているが、それらも手ぶれ補正機能が付いていないのじゃ」
M「ということは、それらのレンズも、カメラボディ側に手ぶれ補正機能を備えていないPanasonicのカメラボディに使うと、手ぶれ補正機能が効かないのか……」
K「残念ながらそうなるのじゃよ。でも、Panasonicも最新モデルではレンズとセンサーの両方で手ブレ補正する機種を出してきているし、今後の対応が楽しみじゃな……」
むーちゃんの上達のポイント
- 「レンズシフト式手ぶれ補正(レンズ内手ブレ補正)」は、レンズの内部で補正するタイプ。
- 「センサーシフト式手ぶれ補正(ボディ内手ブレ補正)」は、カメラボディの内部で補正するタイプ。
- どちらも一長一短あるので、それぞれ注意が必要。
- PanasonicのカメラボディにOLYMPUSのレンズをつけた場合、手ぶれ補正機能はなくなる。
- 手ぶれ補正機能がややこしいなら、原点に戻り、確実な三脚を使うのもアリ。