むーちゃん(以下M)「綺麗な風景写真を見ると、私も挑戦してみたくなります……初心者でも上手く撮れるポイントはありますか?」
ケンケン(以下K)「ランドスケープフォトじゃな。風景写真は素晴らしのう……まさしく「自然界からの贈り物」じゃな」
M「その贈り物をゲットする方法を教えてもらえますか?」
1.焦るな
K「まずは、焦らないと言う事じゃな。現地に出向き、構図が決まるまで歩き回り、天気と光の条件が自分の撮ろうとするイメージに近づくまでひたすら待ち続ける事じゃ」
M「わぁ~根気と努力と忍耐が必要なのかぁ。全部私の苦手なことだわ……」
2.光を読め
K「風景写真で得ることのできる光源は太陽だけじゃ。太陽の動きをよく見て予測しながら撮影のタイミングをつかむのじゃ」
M「そうか、風景写真はスタジオ写真の様に光を自分でコントロールすることできませんね。これも待つしないのか……」
3.空の表情を読め
K「風景写真の背景は空の表情で決まるのじゃ。天気予報や経験を駆使して、少しでもダイナミックな空を表情を狙うのじゃ」
M「朝焼けとか、夕焼けとか、入道雲やうろこ雲、反対に雲一つ無い青空……これも欲しかったら待つしかないですね」
4.マジックアワーを狙え
K「今むーちゃんの言った、朝焼けとか夕焼けとかはマジックアワーに発生するのじゃよ。つまり日の出前と日没後は空の表情が刻々とドラマチックに変化するのじゃ」
M「それ狙わない手はないですね。マジックアワーなら、その時間帯を狙えば待ち続けなくても良さそうです。でも早起き苦手だから夕焼けを狙うことにします」
5.画面を整理しろ
K「これはいつもケンケンが言っている、センスの良い写真を撮るポイントと同じじゃよ。必要ないものは画面から追い出すのじゃ。風景写真は隅々までじっくり鑑賞されるので、特に四隅まで注意が必要じゃな」
M「そうでしたね。画面の整理は写真を撮る大原則でしたね」
6.パース感を出せ
K「広角レンズを使ったり、ローアングルで狙ったり、縦位置で撮ったりして、奥行きや立体感を出すのじゃ」
M「確かに上手い風景写真は立体感がありますね。広角レンズは遠近感が誇張されるので奥行きもゲット出来ますね」
7.前景を入れろ
K「そのとおりじゃよ。前景を入れると更に遠近感が誇張されて奥行き感が増すのじゃ」
M「確かにダイナミックは風景写真は手前に大きく何かが写ってますね」
K「特に広角レンズを使った撮影は画面内にスカスカの空きができることが多いので、前景を入れて無駄な空間を埋めるとちょうど良いのじゃよ」
M「まさしく一石二鳥ですね」
8.三分割構図
K「あれこれ悩んで構図に迷ったら、三分割構図を使えば間違いないのじゃ」
M「確かに構図は一番悩みます。考えれば考えるほど決められなくなります」
K「そういう時は、まずは三分割構図で撮ってみるのじゃ。そして、他の構図でフレーミングしてみて魅力を感じるなら、それらの構図も撮っておくのじゃ」
M「なるほど……風景は一瞬しかシャッターチャンスが無いスポーツ写真やスナップ写真と違って、構図を変えながら何カットも撮れますね」
9.水平・垂直
K「これもセンスの良い写真を撮るポイントと同じじゃよ。前にベースラインを決めて整える話をしたが、風景の場合は地平線や水平線がベースラインになることが多いはずじゃ」
M「確かにプロが撮った風景写真で、地平線や水平線が中途半端に傾いた写真は見たことないですね。私のカメ吉には電子水準器が付いているので安心です」
10.三脚を使え
K「同じく、手ブレした風景写真も見たことないじゃろう?風景写真のブレ対策は、手ぶれ補正機能に頼ることなく三脚で防ぐのが大前提じゃ」
M「そうでしたね、手ぶれ補正機能は補正だけで手ブレは防げないのでしたね。面倒だけど三脚を使うと水平・垂直もずれにくくなりますね」
11.絞り込め
K「絞りを絞り込むのじゃ。絞ってパンフォーカスにするのじゃ」
M「ふむふむ、パンフォーカスになるまで絞りを絞って、画面の中にピントが合ってない部分を無くすのですね」
K「風景写真はシャープさが命じゃよ。その方がシャープに見えるのじゃ」
M「絞りを絞り込むとシャッター速度が遅くなるので、ここでも三脚の必要性が出て来ましたね」
K「そうじゃな。ISO感度を上げてシャッター速度を早めるのは風景写真ではNGなのじゃ。画面にノイスが増えてシャープさを損なうからじゃよ」
M「本当に風景写真は三脚無しでは撮れませんね」
12.大きさのわかる被写体を入れる
K「広大な風景のスケールがわかるように、画面の中に大きさのわかる被写体を入れると良いのじゃ」
M「スケールって物差しか巻き尺を入れるの?」
K「むーちゃん何を言っておるのじゃ(笑)よく見る例として、アメリカの国立公園のグランドキャニオンの写真なんか、スケール感を出すために必ず人物も写し込んでいるじゃろう?」
M「ああ!そういうことか」
K「無理に人でなくても、電車や車やかかし、犬や猫でもいいのじゃよ」
M「うんうん、想像出来ます」
13.動く被写体を入れる
K「風景写真は凍り付いた時間の止まった世界に見えることが多いけど、それを避けたければ動くモノを入れて撮ると良いのじゃ」
M「これも、電車や車やかかし、人や犬や猫が使えますね」
K「そうじゃな。よく見る例としては、波をブラして前面に写し込んだ写真があるじゃろう?」
M「ああ!見たことあるある!あれ凄く素敵です」
K「せっかく三脚を使って撮影するなら、乗り物や人も波の様にブラして撮るとダイナミックな写真になるのじゃよ」
M「うわぁ~想像したら、直ぐにでも風景写真を撮りに行きたくなりました!」
K「むーちゃん、最初のポイントは何だった?」
M「あ!!「焦るな」でした……(笑)」
むーちゃんの風景写真13のポイント
- 焦らないー歩き回って撮影ポジションを探す
- 光を読むー太陽の動きを知る
- 空の表情を読むー天気予報も活用する
- マジックアワーを狙うー日の出前と日没後のチャンスを逃すな
- 画面を整理するー必要無いものは画面に入れない
- 前景を入れるー奥行きが増す
- パース感を出すーワイドレンズ・ローアングル・縦位置を駆使
- 三分割構図で撮るー迷ったらまずはこれで撮る
- 水平・垂直を出すーベースラインを決めて整える
- 三脚の使用ー手ぶれ補正機能をあてにしない
- 絞り込むーシャープに撮る
- 大きさのわかる被写体を入れるー風景のスケール感を出す
- 動く被写体を入れるー風景写真に動きが生まれる