むーちゃん(以下M)「マクロとクローズアップって、何が違うの?」
ケンケン(以下K)「おお!むーちゃんも、ついに接写に興味を持ち始めたのじゃな?」
M「そうなんですけど、マクロレンズとか、マイクロレンズとか、クローズアップレンズとか、接写とか、近接撮影とか……」
K「同じ意味のような専門用語が多くて、理解に困っているのじゃな?」
M「そうなんです……」
K「ここはまず難しく考えずに、基本となる「マクロ」と「クローズアップ」と言う言葉を理解する事から始めよう」
M「他の用語はいいの?」
K「この2つの用語を理解すれば、他の用語はどうでも良いじゃろう」
M「え!またまた……本当ですか?」
K「「マクロ」と「クローズアップ」という2つの用語を押さえて置けば良いと言う事じゃよ。まずは、基本の「マクロ」からじゃな」
M「マクロレンズのマクロですね」
「マクロ撮影」とは、等倍かそれ以上の倍率で撮影すること
K「マクロというのはギリシャ語で「大きい」とか「長い」と言う意味なんじゃよ」
M「うーーーん、なんだか接写とは反対の意味のような気がするけど(笑)」
K「それがじゃな、被写体がイメージセンサー(撮像素子)上に、実物の1/4以上の大きさ写るのがマクロ撮影なんじゃよ」
M「ええ?それはどういう事?」
K「例えばじゃな、今むーちゃんが食べようとしているお菓子を撮影したとき、イメージセンサー上に実物の1/4以上の大きさで写るとマクロと言うのじゃ」
撮影倍率とは
M「1/4以上の大きさとは、実物4cmのお菓子が、イメージセンサー上で1cm以上の大きさで写ってる事ね?」
K「その通りじゃ。その状態を「撮影倍率が1:4以上」」と言うのじゃよ」
M「ふむふむ」
K「「1:4」と言うのは撮影倍率というもので「イメージセンサー(撮像素子)に写った像の大きさと、被写体の大きさの比率」のことなんじゃ」
M「と言う事は、1cmのグミキャンディーがイメージセンサー上でも2cmで写っていたら、撮影倍率は「2:1」とか「2倍」とか言うの?」
K「全くそのとおりじゃよ。よく分かったね」
M「えへへ、私は食べ物に例えてもらうと分かるんです(笑)」
K「(笑)逆に1cmのグミキャンディーがイメージセンサー上でも5mmで写っていたら、撮影倍率は「1:2」「0.5倍」「1/2倍」とか言うのじゃよ」
「クローズアップ撮影」とは、被写体を少しでも大きく写そうとすること
M「なるほど、わかりやすいです。それで「クローズアップ」というのは何なの?」
K「「マクロ」が、1/4倍かそれ以上の倍率で撮影する事だったのに対して、「クローズアップ」は被写体をなるべく大きく写そうとしていれば良いのじゃ」
M「え!え!と言う事は、「接写」みたいな事をしていれば撮影倍率に関係無く、みんな「クローズアップ」と言う事?」
K「そうなのじゃよ、1/4倍以上に撮らなくても良いのじゃ。つまり「マクロ撮影」を含んだ広い意味で使われる、接写や近接撮影全般を指す用語なのじゃよ」
M「なるほど、そう言う事なのか……」
メーカーによる表記のばらつきに注意
K「ところで、先ほどの「撮影倍率」を含めて、「マクロレンズ」や「マクロ機能付きズームレンズ」等の表記は、メーカーによって解釈がバラバラなので、レンズを買うときは実物で確認した方が良いのじゃ」
M「え?どういうこと?」
K「簡単に言うと、「マクロレンズ」や「マクロ機能付きズームレンズ」と明記してあっても、1/4倍以上の撮影が出来ないものもあると言う事じゃ」
M「つまり、本来ならば、イメージセンサーに写った像の大きさは、被写体の大きさよりも大きく写らないといけないのに、そうならなと言う事ね」
K「そう言う事じゃ。それと「マクロレンズ」と言うと、交換レンズのようなちゃんとしたレンズを指すのだが……それに対して「クローズアップレンズ」と言うとルーペのようなレンズが付いたフィルターを指すのじゃが、これもワケがわらからんな(笑)」
M「「クローズアップレンズ」は、被写体を少しでも大きく写そうとするレンズと言う事で、ルーペの付いたフィルターじゃないんですか?」
K「じゃあ、「クローズアップフィルター」でも良いような気もするが……写真用語は複雑じゃな(笑)」
むーちゃんの上達のポイント
- 「撮影倍率」とは、イメージセンサーに写った像の大きさと、被写体の大きさの比率
- 「マクロ撮影」とは、撮影倍率が1/4倍かそれ以上の倍率で撮影すること
- 「クローズアップ撮影」とは、被写体をなるべく大きく写そうとすること
- 「クローズアップ撮影」とは、「マクロ撮影」を含んだ接写や近接撮影全般を指す
- 「マクロレンズ」は、マクロ撮影の出来るレンズ
- 「クローズアップレンズ」は、ルーペの様なレンズ付きフィルター