どんなデジカメも最初はRAWで撮影している
むーちゃん(以下M)「今のデジイチに変えてからRAWデータで撮影出来るみたいだけど、イマイチどういう時にRAWデータで撮ればいいのかわからないんです」
ケンケン(以下K)「むーちゃんの今までのカメラもそうだけど、どんなデジカメも最初はRAWデータで撮影しているんじゃよ。そしてカメラ内部でそのRAWデータを補正して綺麗な写真に仕上げておるのじゃ」
M「じゃあ、最初の補正してないデータをRAWと言うの?」
K「そのとおりじゃな。撮ったばかりの写真になる前の、未加工のデータをRAW(生)というのじゃ。つまりレンズを通して撮像センサーに当たった像の信号データなのじゃよ」
M「ふむふむ……」
RAWデータを捨てるか?記録するか?
K「正確に言えば、むーちゃんの前のカメラはRAWで撮れないのではなく、加工後の写真を記録して、加工前のRAWデータは記録せずに捨ていたと言う事じゃな」
M「なるほど、そうだったのか……それで、RAWデータを捨てずに記録すると何の良いことがあるの?」
K「簡単に言うと、RAWを記録してくれない今までの古いカメラよりも、綺麗な写真がつくれるということじゃな」
M「綺麗な写真が。「撮れる」じゃなくて「つくれる」って?」
K「これまた簡単に言うと、カメラが内部で補正加工して写真に仕上げてくれた作業を、自分でする事でより自分好みの写真に仕上げることが出来るのじゃよ。それで「撮れる」じゃなくて「つくれる」と言ったのじゃ」
M「そんな事が出来るの?すごい!」
記録したRAWデータは自分で現像して写真にする
K「自分でRAWデータを写真に加工する作業を「現像」と呼ぶのじゃが……この「現像」という作業は、デジカメに同梱されている現像ソフトを使って、パソコン上でしなくてはならないのじゃよ」
M「そうなの?カメラじゃ無くて、パソコンでするの?」
K「今のむーちゃんみたいな事を言う人もいるので、最近はカメラ内部で現像が出来る機種も増えてきているのじゃ。でも、パソコンとモニターで現像した方が丁寧にやりやすいのじゃよ」
M「それで、その現像ってどんなことをするの?」
K「一般には、露出補正・色調補正・コントラスト・彩度・ノイズやシャープさの調整など撮影した後にモニターを見ながら好みに変えるのじゃ」
M「なんだか、難しそうですが便利そうでもありますね」
K「そう言うと思ったので、長所と短所と注意点をまとめてあげよう」
RAWの長所
- 圧縮されずに記録されるカメラの最高画質データ。
- 撮影後に画像の劣化なしにホワイトバランスが変えられる。
- 撮影後に露出補正が出来るので、露出オーバーやアンダーのリカバーができる。
- 撮影後にいくつかの補正が出来るので、じゃんけんの遅出しの様に撮影ミスをごまかせる。
RAWの短所
- 圧縮されずに記録されるので、ファイルサイズが大きい。
- 撮影後にカメラへの書き込み時間が長くかかる。
- 現像しないと写真にならない。
RAWの注意点
- カメラによってはRAWデータを消去するとJPEGデータ(RAW以外の撮影データ)も消えるので注意。
- 意外と知られていないが、RAWでは反映されない設定項目や機能の制限が多くあるので注意。
M「なるほど……これでかなりわかった気がします。一番最後のRAWでは反映されない設定項目や機能というのはどういうの?」
K「むーちゃんのカメラだと、フォトスタイル・iDレンジコントロール・デジタル赤目補正・超解像・色空間・シーンガイドモード・クリエイティブコントロールモードなどじゃな。その他に連写やブラケット撮影やHDR撮影の制限もあるみたいじゃぞ」
M「そういうのがカメラ内部で補正や加工をしている部分なんですね……」
K「一度マニュアルで確認しておいた方が良さそうじゃな」
M「わかりました……それで、この先どういうときにRAWで撮ったら良いのでしょうか?」
迷ったらRAWとJPEGの両方で記録すればいい
K「記録カードに余裕があって、書き込み時間が気にならないときは、RAWとJPEGの両方で記録した方が利口じゃな」
M「そうじゃなくて、どうしてもどちらかで記録した時は?」
K「JPEGの高画質設定で撮っても画質が気になり、現像処理が楽しめそうならRAWで記録した方が良いじゃろうな」
M「RAWデータ捨てるのもったい無いので、これからは積極的にRAWで記録してみます」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- 撮ったばかりの写真になる前の、未加工のデータをRAW(生)という。
- RAWデータは自分で現像しないと写真にならない。
- 現像は現像ソフトとパソコンで行う。
- 現像で自分好みに写真を加工できるのがRAWの醍醐味である。
- RAWデータに反映されない撮影設定項目や機能が多くあるので注意。
- JPEGの高画質設定で撮っても画質が気になるならRAWに挑戦してみよう。
- 現像処理が楽しめれば、写真のワクワクした世界が更に広がる。