むーちゃん(以下M)「適正露出はどうやって設定すればいいのですか?」

ケンケン(以下K)「その前に少し復習しようか?適正露出って何だったけ?」

M露出というのはイメージセンサー(撮像素子)がレンズから入ってきた光にさらされる事です

K「そうだね……」

M「そして、その光にさらされる量を露光量(EV)と言うのですが、その量が適正なのを適正露出と言います」

K「あはは!参ったな。随分と勉強したんだね……今日はむーちゃんがレクチャーしてみる?」

M「ムリムリ!絶対に無理!ケンケンお願いします」

適正露出というのは、明るすぎず暗すぎずの適正な露出

K「それでは……適正露出というのは、明るすぎず暗すぎずの適正な露出の事だね

M「えぇ~なんだ、その答えで良かったの?」

K「では、誰が露出が適正かどうか決めるんだったけ?」

M「はい、それは撮影者です!カメラは自分で何を撮影しているかわからないからです」

K「そのとおり!じゃあ今日は適正露出の設定の仕方を勉強しよう」

M「はい、楽しみですワクワク」

露出は「ISO感度」「絞り」「シャッタースピード」の3つでコントロール

K「答えから先に言うけど、カメラの露出というのは、「ISO感度」「絞り」「シャッタースピード」の3つを組み合わせてコントロールするのじゃ」

M「メモメモ」

  • ISO感度
  • 絞り
  • シャッタースピード

K「例えばISO100を選んで撮影した時、適正露出に12EVの露光量が必要だったとしよう。図を見てわかるとおり同じ適正露出を得るにも、これだけの絞りとシャッター速度が組み合わせがあるんじゃよ」

  AV 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
  絞り → 1.0 1.4 2.0 2.8 4.0 5.6 8.0 11 16 22 32
0 1 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
1 1/2 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 
2 1/4 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11  12 
3 1/8 3 4 5 6 7 8 9 10  11 12  13 
4 1/15 4 5 6 7 8 9 10 11 12  13  14 
5 1/30 5 6 7 8 9 10 11 12 13   14 15 
6 1/60 6 7 8 9 10 11 12 13 14  15  16 
7 1/125 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16  17
8 1/250 8 9 10 11 12 13 14 15 16  17  18 
9 1/500 9 10 11  12 13  14  15  16 17  18  19
10 1/1000 10 11 12  13 14  15  16 17 18 19 20
11 1/2000 11 12 13 14  15  16  17 18  19 20 21
12 1/4000 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21  22
13 1/8000 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
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M「わお!11通りの組み合わせですね」

K「大切なのは、それぞれの組み合わせ方で、写真のできあがりがそれぞれ変わるのじゃよ。それが写真の表現力になるんだよ」

M「その組み合わせをカメラが自動で選択してくれるモードがありますよね?私はいつもそれですけど……(笑)」

K「最初から組み合わせが出来ないiPhone等のスマホやコンパクトカメラもあるよね。つまりそう言うカメラでは撮影者の表現が出来ないんじゃよ」

M「そうか……せっかくミラーレス一眼持ってるんだから、今度から自分で設定してみます」

コップの大きさを決めるのは「ISO感度」

K「肝心の適正露出だけど、これはお約束どおり光をコップの水に置き換えて例えてみよう。コップ丁度1杯の水を適正露出にした場合、コップの大きさを決めるのは何かな?」

M「「はい!ISO感度です。ISO感度の数字を大きくするほど感度が良くなるので、適正露出に必要な光は少なくてすみます

K「つまり、小さなコップ一杯の水で適正露出になると言うことだね」

M「はい、反対にISO感度の数字を小さくするほど感度が悪くなるので、適正露出に必要な光は多く必要です

K「つまり、適正露出には大きいコップ一杯の水が必要になると言う事だね」

「絞り」と「シャッタースピード」は水道の蛇口

M「はい、そうです。絞りとシャッタースピードは何になるんですか?」

K「両方ともレンズを通る光の量と時間を調整する弁なので、水に例えた場合は水道の蛇口になるね」

M「なるほど……蛇口の開け閉めが具合が絞りで、蛇口を開けている時間がシャッタースピードですね」

K「そのとおり!むーちゃん、コップ一杯に水を汲んで来てごらん」

M「はーい、汲んできました!」

K「早!もう汲んで来たの?」

M「はい!早く次の話が聞きたいので……」

K「同じコップ一杯の水を汲んで来るのも、今のむーちゃんの様に、蛇口を一杯まで開けて一気に汲んで来る人もいれば、コップから水がこぼれないように、少しずつ時間をかけて慎重に汲む人もいる……」

M「あ~そうか、写真も同じなのか?撮る人の個性が出るんですね」

K「そのとおりだよ、だから写真は同じモノを撮っても人それぞれ違うんだよ」

ちゃんと水を汲まないと露出オーバーか露出アンダーになる

M「もう一つ言わせてもらってもいいですか?さっき勢いよく水を入れすぎてコップから水が溢れたんですけど、写真に例えると露出オーバーと言う事ですね?」

K「そのとおりじゃな。逆にコップの縁まで水が溜まらなかったら、露出アンダーと言う事だね」

M「全自動モードで撮ると、歯医者さんのコップの水みたいにカメラが自動的に止めてくれるんですね」

K「そういうことじゃな。今日のむーちゃんは優秀だね」

M「どうせならコップの中は水ではなく、カルピスで説明して欲しかったです」

K「そしたらむーちゃんは、絶対にコップの縁までこぼさないようになみなみと汲みそうだから、カメラより正確に露出コントロールできそうだね(笑)」

M「それはどういう意味でしょうか?(笑)」

ケンケン直伝!上達のためのアドバイス

  • 適正露出というのは、明るすぎず暗すぎずの適正な露出。
  • カメラは自分で何を撮っているか知らないので、適正露出は撮影者が決める。
  • 露出は「ISO感度」・「絞り」・「シャッタースピード」の3つでコントロールする。
  • 適正露出は「ISO感度」・「絞り」・「シャッタースピード」の組み合わせで設定。
  • ISO感度」で、適正露光に必要な露光量が決まる。
  • 「絞り」はレンズを通る光の量を調整する。
  • 「シャッタースピード」はイメージセンサーに溜め込む光の量を調整する。