デジカメで撮る運動会

 

むーちゃん(以下M)「写真部にいると、いろいろな所から運動会の撮影を頼まれるんですけど、上手く撮るコツはありますか?」

ケンケン(以下K)「運動会を撮るコツは、ずばり前日までの準備と当日の場所取りじゃよ(笑)」

M「え!撮影じゃなくて、準備ですか?」

K「そのとおりじゃ、周到な準備で運動会の写真の出来、不出来がきまるのじゃ」

M「じゃあ、その準備とやらを詳しく教えて下さい」

K「まずは運動会前日までに準備しておく事を書いておこう」

運動会前日までの準備

  • ロケーションのチェック(Google衛星写真やプログラムの会場図等)
  • プログラムのコピー
  • カメラの撮影テスト
  • 当日の持ち物チェックリストの作成
  • 予備バッテリーの準備
  • 予備メモリーカードの準備
  • 一脚の準備
  • 前日に忘れずに全てのバッテリーのフル充電

M「わぁ~ここまでやらなきゃならないの?」

K「だって、むーちゃん。運動会は撮り直しがきかないんだよ。頼まれたからには、撮れてませんでしたじゃすまないじゃろう?」

M「確かに責任重大ですね……もっと詳しく説明してもらえますか?」

K「とにかく運動会は撮影ポジションが重要だからね。そのためには当日の会場ロケが不可欠じゃな」

M「だって、平日は私も学校あるし、他校には入れないじゃないですか」

K「だから、Googleの衛星写真やプログラムの会場案内図で、方角とロケーションをイメージするんだよ」

M「なるほど……その手があったか」

K「その時のポイントは方角と太陽の位置の予測。それから撮影予定場所からのゴール位置など会場全体の距離感

M「ああ、そうか……せっかく良い場所でも逆光だと良い写真が撮れませんね」

K「だいたいの距離感も、レンズの選択をするために必要じゃな……それからカメラの撮影テストも早目にしておかないと、万が一故障していた時には修理か、代替機の用意が必要じゃかなら」

一脚があると超便利!

M「そうですね……一脚はあった方がいいですか?」

K「学校行事を撮る機会が多い人は、持っていると便利じゃぞ。三脚使用禁止の学校も多いだろうし……人混みの中でも一脚があると、一脚ごとカメラを頭上に持ち上げて高い位置から撮影できるのじゃ」

M「でも、どうやってシャッターきるの?高く持ち上げると手がシャッターまで届かないでしょう?」

K「実は、最近のデジカメはWiFi経由でスマホでファインダー映像を見ながら手元でシャッターが切れるものが多いのじゃ。むーちゃんのカメ吉もそうじゃぞ」

M「やった-!でもそれができないカメラは?」

K「WiFi経由のできないデジカメは、バリアングル液晶を見ながらセルフタイマーを使ってシャッターを切ると良いのじゃ」

M「それはちょっと難しそうだけど……でも、人混みが邪魔で何も取れないよりは全然良いよね」

K「そうじゃな。一脚があると望遠レンズで撮る時もカメラとレンズを支えてくれるので安定するのじゃよ」

M「縮めたらこんなに短くなるので、常日頃からバッグに入れておくと良いわね。ところで、肝心の運動会当日は何をすれば良いの?」

Kまずは場所取りじゃ!」

M「え?先にお弁当を食べる場所?」

K「何を言っておるのじゃ。(笑)撮影の場所取りじゃよ。ポイントは……」

運動会の撮影場所の選び方

  • 逆光を避ける。
  • 必ず顔が写る場所を選ぶこと。
  • ゴールを正面から狙えるポジション。
  • コーナー付近もベストポジション。

M「なんだか……早い者勝ちって感じですね」

K「準備リストに「当日早起き」と言うのも書いておいた方が良さそうじゃな(笑)」

当日のカメラの設定は、連写モードとAFC

K「肝心の当日の撮影テクニックだけど、カメラを「動く被写体を撮るモード」にするのじゃ」

M「たしか、シャッターモードの時に教えてもらったとおり、連写モードとAFC(オートフォーカス・コンティニアス)のセットで撮影ですね」

K「そのとおりじゃな。運動会は絶えず動き回るので、フォーカスモードはAFC(オートフォーカス・コンティニアス)かAFF(オートフォーカス・フレキシブル)が必須じゃな」

M「どう使い分けたら良いの?」

AFCとAFFの種目別使い分け

  • AFC(オートフォーカス・コンティニアス)リレー・短距離走・長距離走など、トラック競技
  • AFF(オートフォーカス・フレキシブル)玉入れ・ダンス・騎馬戦など、動きが予測できない競技

K「おおよその目安じゃが、動きが予測できる競技はAFC(オートフォーカス・コンティニアス)で、動きの予測できない競技はAFF(オートフォーカス・フレキシブル)がいいじゃろう」

M「切り替えるのめんどうくさいですね……」

K「めんどうくさくて楽をしたければ、シーンモードを「スポーツ」にして撮っても良いのじゃ」

とにかく、たくさん撮ろう

M「写真はどう撮ったら、良いのが撮れますか?」

K「とにかく、手ぶれ補正機能をONにして場所とアングルと構図を変えながらたくさん撮る事じゃな」

M「当日しか撮れないですしね……」

K「写真に変化を持たせるために、全体を押さえた写真とアップの写真と交互に撮ると良いのじゃ」

M「こういうときは、本当にズームレンズの便利さを実感します」

K「でも、むーちゃん。フットワークで撮る事も忘れないようにね」

M「わかりました。レンズ感覚を磨くためですね」

むーちゃんの運動会を撮るポイント

  • 運動会の写真は、前日までの準備が重要。
  • 会場ロケをして、太陽の位置や会場の距離感を調べておこう。
  • 学校行事の撮影は、一脚があると超便利。
  • 当日、撮影の場所取りは命がけで望む(笑)
  • AF設定は「動く被写体を撮るモード」にする。
  • 場所とアングルと構図を変えながらたくさん撮るのがコツ。
  • 全体を押さえた写真と、アップの写真の両方を撮る。