むーちゃん(以下M)「ホワイトバランスって、確かビデオカメラにあったと思うけど、デジカメにもあるんですね」
ケンケン(以下K)「ホワイトバランスを初めて聞く言葉だという人が多いけど、むーちゃんはビデオカメラで知っていたんだね」
M「聞いたことはあるけど、何をするモノかはわかりません」
K「カメラもフィルムも、設計は太陽光の下で使う事を基準にしてるんだよ。でも実際は、外でお日様の下で撮るばかりじゃないよね」
M「私は夜も撮るし、室内で撮る事も多いです」
K「写真は光がないと写らないから、写真を撮る時は必ず何かしらの光源があるんだ」
M「確かに室内で撮るときも、窓から差し込む外の光や、蛍光灯や電球とかいろいろな明かりがありますね」
意識による色調補正
K「前に記憶色の話をしたけど、例えば人間は「紙は白」と記憶してるから、オレンジ色の電球の下でもネオンの下でも紙は白に見えるんだよ。これを「意識による色調補正」と言うんだね」
M「いつもケンケンが言うように、カメラは自分が何を撮っているのかわからないから、それができないの?」
K「そうなんじゃよ。光源ごとに、白い紙も白く見えないでオレンジや青やグリーンに見えてしまうんだよ」
M「それは大変ですね。どうすればいいの?」
白を白く写すために
K「フィルム時代は、光源ごとに専用フィルムが販売されてたし、カラーフィルターで色補正してたんだよ。でもデジカメはそんな事をしなくても、ホワイトバランスという便利な機能が、光源が変わっても白いモノを白く写してくれるんだよ」
M「それは便利ですね。でも、それだと白以外の色は補正されないんじゃないの?」
K「ところが、白やグレーは色の物差しとされていて、白が白く写るようにホワイトバランスを調整すると、他の全ての色も正確に写るんだよ」
M「へぇ~色にも物差しがあるんですね……知りませんでした」
K「今のデジカメのオートホワイトバランスはとても優秀で、基本的にはオートで十分!」
M「それは良かった!」
K「ところがじゃな……」
M「え?オートじゃダメなんですか?」
K「たまーに、マニュアルで光源を選んでやった方が良い場合もあるんじゃな」
M「それはどういう時なの?」
ホワイトバランスをマニュアルで設定した方が良い場合
- 2つ以上の種類の違う光源があり、ホワイトバランスが迷うとき。
- LEDやネオンなど特殊な光源で、ホワイトバランスが補正しきれないとき。
- ホワイトバランスが補正しすぎて、補正した色の方が実際の色より強くなるとき。
- 撮影者が、わざと実際の色より色を強調したいとき。
K「こんな感じかな……補正した色の方が実際の色より強くなる症状を「カラーフィリア」といって、希に起こることがあるんだよ」
M「へぇ~最後の実際の色より色を強調したい時ってどういう時ですか?」
K「良くあるパターンが、夕焼けじゃな……夕焼けの赤味がなくなったら味気ないじゃろう?」
M「ああそうか……確かにそうですね。そういう時はわざと実際の色より赤味が増すようにホワイトバランスを調整するんですか?」
K「そのとおりじゃよ。日陰モードに設定すればより赤く写るはずじゃよ」
M「それは、おもしろいですね」
K「ようするにカラーフィルター代わりにホワイトバランスの光源を選ぶんじゃよ。実際のカラーフィルターを使うのではないから、いくら色を変えても露出が変わることがないんだよ」
M「なんだか面白そうですね」
K「その時選ぶ光源によって色味が変わるんだけど、おおよそこんな感じになるんだよ」
ホワイトバランスの光源設定によるカラーフィルター効果
- 電球モード:青みが強い写真になる
- 蛍光灯モード:やや青みのある写真になる
- 太陽光モード:ニュートラルな写真、オートに近い
- 曇りモード:ややアンバーな写真になる
- 日陰モード:セピア調っぽい写真になる
M「こんなにバリエーションがあるんですね。なんだか使わないともったいないです」
K「光源設定だけで物足りなければ、微調整機能でさらに細かく好きな色調に変えられるのじゃよ」
M「デジカメって本当に凄いですね」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- 人間は「意識による色調補正」が出来るが、デジカメはそれが出来ない。
- ホワイトバランスで、白いモノを白く撮る。
- ホワイトバランスは、基本的にはオートでOK。
- 補正しきれない時、補正し過ぎの時は、マニュアルで設定する。
- ホワイトバランスをカラーフィルター代わりに使ってみる。