むーちゃん(以下M)「あの……今更聞くのも気が引けるんですけど、デジカメ写真のピントはどこに合わせたら良いんでしょうか?」
ケンケン(以下K)「ええ?むーちゃん、逆に聞くけど、今までどこにピント合わせて写真撮ってたの?」
M「それが特に意識してなくて……いつもカメ吉が自動的にフォーカス位置を調整して、ピントを合わせてくれていたんです」
K「スナップ写真ならそれでも撮れていただろうけど、中には思ってもいなかったところにピント合った時もあったでしょう?」
M「はい、ありました……この前フォーカスロックのやり方を教えてもらったので、これからは自分がピントを合わせる場所を決めて撮ろうと思います」
ピントは、写真の中で一番大切に思うところに合わせる
K「いい心がけだね。ピントは写真の中で一番大切に思うところに合わせればいいんだよ」
M「主役とか主人公に当たる部分ですね?」
K「そう、文章で言えばアンダーラインを引きたくなるところだね。だからまず写真の主役を決めないことには、ピントを合わせる場所も決まらないよね」
M「主役の決め方のコツはありますか?」
K「むーちゃんが写真を撮る時って、何かに感動したときだろうから、その感動を一度言葉に置き換えてみてごらん」
M「まさか、詩を書けとか言わないでしょうね?(笑)」
K「さすがにそこまでは言わないけど、単語を並べてみると良いよ」
M「タンゴでいいのね?」
K「タンゴって踊るんじゃないよ?(笑)タンゴじゃなくて単語!その言葉の中から、主役と脇役を決めてあげるんだ。ピントを合わせるのは当然主役の方だよ」
M「なるほど……舞台で主役にスポットライトを当てる感じですね」
K「良いこと言うね……実際、定番とされているピント位置もそうなってるはず……」
一般的なフォーカス位置
- ポートレートは瞳!それも手前の目のマツゲ
- 動物も目
- 花は、おしべ
- 電車や飛行機は運転席やコクピットの窓
- たくさんの被写体が入る写真は、一番主役
M「マツゲってのは細かいですね(笑)」
K「むーちゃん、笑い事ではなく最近のデジカメは顔認識どころか、瞳認識機能までついているのじゃよ」
M「それは、フォーカスが楽そうですね(笑)」
K「気づいたと思うけど、どれも誰が見ても主役と思える部分にピントを合わせるでしょう?」
奥行きのある被写体のピント合わせのコツ
M「あ!そうそう……クラス写真のように、一人じゃなくてクラス全員の顔にピントを合わせるコツってあるの?今度撮らないといけないんです」
K「奥行きのある写真にピントを合わせるコツじゃな。むーちゃん「被写界深度」覚えてる?」
M「はい!ピントの合う範囲でしたね。たしか、カメラと被写体に近いほどピントの合う範囲が狭くなって、離れるほど深くなるんでしたよね?」
K「そのとおり!良く覚えてたね。そのピントの合う比率が、手前に1/3、奥に2/3と言われてるんじゃよ。比率で言うと1:2じゃな」
M「あ!じゃあ、前から1/3の人の顔にピントを合わせればいいのか……」
K「そのとおりじゃ!そしてなるべく大きな数字の絞りで撮るのじゃ」
M「絞りを絞るとピントの合う範囲が増えるんでしたね」
K「そう、被写界深度は増すのじゃよ。これでバッチリじゃな」
M「実は今まで一番前の人にピントを合わせてました(笑)」
K「これからは、一面に広がるコスモスやひまわりなどでも上手に撮れるはずじゃよ」
M「やった~」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- 自分がピントを合わせる場所を決めて撮ろう。
- ピントは、写真の中で一番大切に思うところに合わせる。
- まずは写真の主役を決める。
- 感動を一度言葉に置き換えてみると主役がはっきりする。
- 奥行きのある被写体は、手前の1/3にピントを合わせる。
- 絞りを絞るほど、被写界深度(ピントの合う範囲)は増す。