むーちゃん(以下M)「標準ズームレンズの話で真ん中の焦点距離の使い方はわかったのですが、今度は両端の焦点距離を使いこなすコツを教えてください」
ケンケン(以下K)「ズームレンズの広角側と望遠側の事じゃな」
M「そうです。大体どういう基準で広角とか望遠とか使い分ければいいの?」
K「広角と望遠を考えて使い分けられるようになるには、それぞれの特徴を知ることが必要じゃよ。まずは広角レンズの話からしてあげよう」
M「広角レンズは文字どおり、広い角度が写せると言う事でいいんだよね?」
K「まあ、そうじゃな。広い範囲が写せる焦点距離の短いレンズじゃよ」
M「焦点距離の短いということは、ズームレンズに書いてある数字が小さいと言う事だよね?」
K「そのとおりじゃよ。一般には28mm(35mmフルサイズ換算値)より焦点距離が短い(数字が小さい)レンズが広角レンズと呼ばれているのじゃ」
M「じゃあ標準の50mm(35mmフルサイズ換算値)と28mm(35mmフルサイズ換算値)の間の、35mm(35mmフルサイズ換算値)とかはどうなるの?」
K「35mm(35mmフルサイズ換算値)は準広角レンズと呼ばれて、スマートフォンや単焦点のコンパクトカメラなんかで採用されている画角じゃな」
M「準広角というのがあるのか……」
K「スナップ撮影等に便利な画角じゃよ。広角レンズは焦点距離が短くなる程(数字が小さい程)広く写せて、そのぶん周りが小さく写る特徴があるのじゃ」
M「何となくわかる気がします」
K「広角レンズの特徴を3つにまとめてみたのじゃ」
広角レンズの3つのポイント
- 広く写せる
- 遠近感が強い
- ピントが深い
M「ん?たった3つだけ?」
K「たったこれだけじゃ。それに、むーちゃんはあまりたくさんあると嫌がるじゃろう?(笑)」
M「ええ、まあ、確かに(笑)」
広く写せる
K「1番目の「広く写せる」というのは、背景の写る範囲も広くなるということじゃ。一見便利そうじゃが、そのぶん画面の整理が難しくなるのじゃよ」
M「なるほど……一長一短あるのですね。何か良いテクニックはあるの?」
K「最初は時間がかかっても良いので、焦らずに画面の隅々まで良く観察してからシャッターを切る事じゃな」
M「前に習ったように、フットワークで動きながら、画面を整理できるまではシャッター切るのを我慢するんですね?」
遠近感が強い
K「そう言う事じゃ。次に2番目の「遠近感が強い」じゃが、手前のモノはより大きく、遠くのモノはより小さく写るのじゃよ」
M「これは、私にもわかる気がします。昔、小犬の鼻先が大きく写った写真がブームになったけど、あれが広角の写りだったんですね」
K「その写真で想像がつくと思うけど、広角になるほど遠近感が誇張されて、カメラのほんの少しの位置の変化で被写体の形が歪むのじゃよ」
M「その歪みを作品に生かしたのが、あの子犬の写真ということか……」
ピントが深い
K「3番目の「ピントが深い」というのは、被写界深度が深いということじゃ」
M「つまり、ピントが合ったように見える範囲が広いと言う事ですね」
K「そうじゃ。広角になるほど、手前から奥まで画面全面にピントを合わせることができるのじゃよ」
M「そういうの、パンフォーカスと言うんでしたね」
K「風景写真やスナップ写真に良く使われるテクニックじゃよ」
M「手前から奥まで画面全面にピントが合うならピント合わせしなくていいから、スナップのように決定的瞬間を撮るにはもってこいですね」
K「確かに、広角レンズはピント合わせが楽なぶん被写体の形が歪みやすいのじゃ。それを避けるにしても、作品に生かすにしても、フットワークで細かなアングルの調整が必要になるのじゃよ」
M「動き回らないといけないので、ダイエットにもってこいの役立つレンズですね(笑)」
むーちゃんが学んだ広角レンズの特徴
- 広く写せて便利だけど、画面の整理が難しい
- 遠近感が強いので、被写体が歪みやすい
- ピントが深いので、ピント合わせが楽ちん
- フットワークで撮るレンズなので、ダイエットにもなる