むーちゃん(以下M)「どうして私のデジカメはオートフォーカスなのにピントがぼけるんですか?」
ケンケン(以下K)「いくらオートフォーカスでも、使い方次第ではピンぼけを起こしてしまうんだよ。むーちゃん、フォーカスエリア(測距点)って知ってる?」
M「ピントが合うと緑に光る枠でしょう?」
K「そう、実はデジカメでピントが合うのはフォーカスエリア(測距点)だけなんだよ。つまりデジカメのピント合わせは、フォーカスエリアを使いこなすのがコツなんだね」
フォーカスエリア(測距点)を使いこなそう
M「そういうことか?前にシャッターが突然切れなくなった時に、ピントが合わないとシャッターが切れない設定になっていると聞いたから、シャッターが切れたと言う事はピントが合ったはずだと安心してたんです」
K「ピントはどこかに合っているが、むーちゃんがピントを合わせたい所ではなかったんでしょう?」
M「そうなんです。二人の友達の顔に合わせたかったんですが、バックの山にピントが合ってしまったんです」
K「両脇の人物でなく、真ん中の山にピントが合ってしまったんだね。良くある失敗だね……」
M「こういう時はどうすればいいの?」
K「カメラ任せでピントを合わせずに、自分の望むところにピントを合わせるには2つの方法があるんだよ」
M「是非教えてください」
K「それぞれの特徴を書いてみるよ」
自分がピントを合わせたい位置にあるフォーカスエリア(測距点)を選んでピント合わせ
- 選んだフォーカスエリアにピントが合う。
- フォーカスエリアを選ぶ手間がかかる。
- コサイン誤差がない。
- 三脚で固定してじっくり撮る接写や風景撮影等に向いてる。
「フォーカスロック機能」を使って画面中心でピント合わせ
- 画面中心のフォーカスエリアで自分がピントを合わせたい被写体を狙う。
- ピントをロック(シャッター半押し)したまま構図を合わせて撮影。
- シャッターを切るまでピントは固定されている。
- 撮り終わるまで、撮影者も被写体も前後に動いてはいけない。
- 前後に動いている被写体は撮影距離が変わるので向かない。
- 画面の中心でピント合わせができる。
- フォーカスエリアを選ぶ手間がかからない。
- コサイン誤差が発生するが、一般的に被写界深度内で収まる。
- 一般撮影やポートレート向き。
M「コサイン誤差って何ですか?」
K「フォーカスロックで撮る時にだけ発生する、ピントを合わせた後にカメラの向きを変える時に発生する小さな誤差じゃよ。接写や望遠撮影では誤差でピンぼけが起きるけど、一般の撮影では誤差は被写界深度(ピントの合う範囲)に収まるから安心じゃ」
M「そうか……どちらが良いのか迷いますね……」
K「一つの目安として、自分のカメラのフォーカスエリア(測距点)の数で決めるのもいいかもね。数が少ないカメラだと自分がピントを合わせたい位置にフォーカスエリアがあるとは限らないからね。その時はフォーカスロックで撮るようになるはずじゃよ」
M「カメラによってフォーカスエリア(測距点)の数は違うんですか?」
K「そうだよ、簡単に書いてあげよう」
「一眼レフ」のフォーカスエリア(測距点)
- 位相差AFのシステム上、フォーカスエリアが画面端まで配置できない。
- エントリーモデルは10コ位
- 上位モデルは60コ位
「ミラーレス一眼」のフォーカスエリア(測距点)
- コントラストAFのシステム上、フォーカスエリアが画面隅々まで配置できる。
- 20~80コ位
- 800種類の測距点選択が可能なモデルもある。
M「フォーカスエリア(測距点)だけみるとミラーレス一眼の方が良いですね」
K「そうじゃな……でもケンケンのように接写以外はフォーカスロックで撮ってしまう人には、中心のフォーカスエリアしか使わないからあまり関係ないかもね」
M「そうか、じゃあ私もフォーカスロックで撮る練習をしてみます」
K「あ!そうそう……カメラによっては、フォーカスロックした後にレンズのズーム位置を変えると、ピントがずれるみたいだから注意してね」
M「はあい!」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- デジカメでピントが合うのは、フォーカスエリア(測距点)だけ。
- まずはフォーカスエリア(測距点)を使いこなそう。
- 自分の望むところにピントを合わせるには2つの方法がある。
- 自分がピントを合わせたい位置にあるフォーカスエリア(測距点)を選んでピントを合わせる方法。
- 「フォーカスロック機能」を使って画面中心でピントを合わせる方法。
- どちらで撮るのか、自分のカメラのフォーカスエリア(測距点)の数で決めるのもいい。
- フォーカスロックした後にレンズのズーム位置を変えると、ピントがずれる事があるので注意。