むーちゃん(以下M)「せっかく友達にあげる予定だった写真が、ウサギの目になってしまったんですけど……」
ケンケン(以下K)「ああ、このウサギの目は「赤目現象」と言うんだよ。撮ったその場で確認しておけば良かったね」
M「やっぱりカメラが悪いとこうなるの?」
K「どんな高級なデジタル一眼レフで撮っても、カメラ内蔵のフラッシュで撮ると時々ウサギの目に写ってしまうよ」
「赤目現象」はなぜ起こる?
M「「赤目現象」ってそのまんまの名前ですね(笑)そもそも、どうして人間の目が赤く写るの?撮った時友達の目は赤くなかったです」
K「もちろんフラッシュを光らせて撮るくらいだから、暗い場所で撮ったんでしょう?」
M「はい、夕方体育館で撮りました。暗くて手ブレ警告が点滅したのでフラッシュを使ったんです」
K「なるほど……暗い場所では目の瞳孔が開くんだけど、開いたままの瞳孔に向けてフラッシュを光らせると目の奥の網膜まで光が届くんだよ」
M「そんなに奥までフラッシュの光は届くのですか?」
K「届くどころか、その時に網膜の毛細血管に反射したフラッシュの光が跳ね返ってきて、レンズを通りセンサーで受けて赤目現象で写るんだよ」
M「そういう一瞬の出来事だったんですか?」
K「逆に赤目を狙って撮ろうと思っても、誰でも撮れるわけではなく偶然の産物なんだよ」
「赤目防止機能」を使ってみますか?
M「これじゃ、友達にも渡せないので撮り直そうと思うのですが、赤目現象の出ない方法はないんですか?」
K「一番簡単なのは「赤目防止機能」を使うことじゃよ。むーちゃんのカメラにも付いているじゃろう」
M「えーと、撮影設定のフラッシュ設定のここですね?」
K「「赤目防止機能」をONにする事でフラッシュが数回連続して光るはずだよ」
M「はいはい!記念撮影でフラッシュが何度も光って撮られて事がありました。凄く眩しかったです」
K「最初のフラッシュで目をくらませて、写る人の瞳孔を閉じるんだよ。そして立て続けにもう一度フラッシュが光り撮影される仕組みだよ」
M「あれは、かなり眩しいので目を閉じたくなります」
K「昔「最初は眩しいから最初は目を閉じて」と言いながら写していた人もいたな……(笑)」
M「ああ、でもその気持ちわかります」
実は「赤目防止機能」はいらない?
K「実は、赤目防止機能の仕組みがわかったむーちゃんにはもうわかるだろうけど、立て続けに何枚か撮る場合「赤目防止機能」を使うのは最初の一枚だけで良いんだよ」
M「ああ、そうか……最初の一枚で眩しくて、瞳孔は閉じますよね。毎回使う必要無いわけだ……」
K「もっと良い発想は、いちいち「赤目防止機能」をONにしたりOFFにするのは面倒だから、最初から「赤目防止機能」を入れないまま数枚撮る方が楽でしょう?」
M「最初のワンカットは瞳孔を閉じるために光らせて、捨てコマにするんですね」
K「そのとおり、よくわかったね。1カット目はテスト撮影で2カット目からが本番と言う事だよ」
M「これもフィルム代も現像代もケチらなくてもいいデジカメの利点ですね」
K「1カット目で赤目現象が出ていなければ、もう撮る必要もないしね」
M「そう考えたら、わざわざ「赤目防止機能」カメラに付ける必要無いですね(笑)」
シャッターチャンスを逃がすな
K「確かにそうだね(笑)実は「赤目防止機能」を使わないメリットはもう一つあるんだよ」
M「ひょっとしてシャッターのタイムラグのこと?」
K「よくわかったね。シャッターを押してからプレ発光無しで普通に撮影だから、全くシャッターのタイムラグが無くなるんだよ」
M「シャッターチャンスを逃しませんね」
K「そのためにも、せっかく自分のカメラに「赤目防止機能」が付いているから使いたい人も、使うのは最初の1カットだけにしておきましょう」
「赤目現象」は撮られる側でも防げる
M「ところで、自分が撮られる側になった時に、「赤目現象」防ぐ方法はないの?」
K「あるある!あらかじめ自分で瞳孔を閉じておけば良いんだよ」
M「ええ?どうやって?」
K「簡単じゃよ、周りを見渡して何か明るい光源を見れば良いだけだよ。照明でもテレビの画面でも何でもいい……」
M「それで良いのか……でももしも、そいうのが何もなければ?」
K「そういう時はiPhoneの画面を見るだけでも瞳孔は閉じるよ。そして普通にフラッシュで撮ってもらえばウサギの目にならなくてすむわけだ……」
M「なるほど、写真って面白いですね(笑)」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- 赤目現象は偶然の産物。撮ったその場で確認。
- 「赤目防止機能」は、シャッターのタイムラグが大きい。
- 「赤目防止機能」は、最初の1カットしか必要無い。
- 数カット撮るなら「赤目防止機能」を使わなくても問題ない。
- 撮られる側も、自分で瞳孔を閉じて赤目現象を防ぐ事が出来る。