むーちゃん(以下M)「この前の写真展は正方形の写真ばかりで構成されていて、凄く面白かったな……」
ケンケン(以下K)「それは楽しそうじゃな。懐かしのポラロイド写真を思い出してしまうな」
M「写真の縦横の比率を変えるのって面白いですね」
K「むーちゃんのミラーレス一眼も内部設定でアスペクト比を変えられるんだよ」
M「ん?アスペクト比?」
写真画面の縦横比
K「写真画面の縦横比を「アスペクト比」と言うのじゃよ」
M「私のカメラでも正方形の写真が撮れるの?」
K「正方形どころか、他にも数種類のアスペクト比が選択出来るはずじゃよ。アスペクト比(画面の縦横比)を変えると、写真の印象もがらりと変わるのじゃ」
M「うわぁ、一台のカメラで何種類も撮れるなんて得した気分!どんなアスペクト比があるんですか?」
K「ホワイトボードに各アスペクト比の特徴を書いた方がわかりやすいじゃろう……」
アスペクト比「3:2」
- 35ミリフィルムカメラの時代からの、写真の標準アスペクト比
- 一番黄金比に近く、バランス良く構図が決められる
- 横位置でも縦位置でも様になる
アスペクト比「4:3」
- フォーサーズフォーマット等のミラーレス一眼や、コンパクトデジカメの標準アスペクト比
- アナログテレビで親しまれてきた縦横比と同じなので、日常的に扱いやすく安定感がある
- 35ミリフィルムカメラの経験があれば、それほど違和感なく感じるはず
アスペクト比「1:1」
- ポラロイド写真を思い出す、個性のあるアスペクト比
- 写真の好きな人なら、ハッセルブラッドなどの6×6版フォーマットでおなじみ
- スマホのカメラでも採用されている事が多い
- なんといっても、タテ構図でもヨコ構図でもない正方形写真の面白さがある
- ゆるい写真にもってこい!撮り慣れればおしゃれな写真が撮れる
- 日の丸構図がお似合いだが、構図の挑戦もできる
アスペクト比「16:9」
- ハイビジョンテレビでおなじみの、今時のアスペクト比
- 従来の写真よりも映画のスクリーンを彷彿させる縦横比
- 横長のワイドな空間は写真にドラマを生む
- 広角レンズの画角と相性が良い
アスペクト比「3:1」
- パノラマ写真でおなじみのアスペクト比
- ホームページのヘッダーの写真に、よく見かけるアスペクト比
M「こんなにもバリエーションがあるんですね。本当にそれぞれ写真のイメージが違いますね」
K「そうじゃな、同じ写真でもアスペクト比を変えることで、伝わるイメージも大きく変わるのじゃ」
トリミングはレンズの画角が変わるので注意
M「ところでケンケン、アスペクト比って撮影後に写真加工ソフトでトリミング(切り出し)しても変えることができるんじゃないの?」
K「良いところに気づいたね。でも、撮影後の写真を実際トリミングしてみるとわかるのじゃが、撮ったときよりも写真の画角がズームインされてしまうじゃろう?」
M「ああ、そうか……画像が切り出されて捨てられた分だけ、望遠で撮ったのと同じ結果になりますね」
K「そうじゃ、レンズの画角が望遠側に変わってしまうのじゃ。だから撮影時にアスペクト比を変えて撮った方が、そうならずに正確な画角で撮影できるのじゃよ」
M「なるほど……そうだったのか」
K「ただしカメラによっては、イメージセンサー(撮像素子)上の画像をトリミングしてアスペクト比を変えているものもあるが、そういうカメラではアスペクト比を変えるとレンズの画角も変わってしまう事になるので注意が必要じゃな」
M「私のカメラは、アスペクト比を変えてもレンズの画角が変わらないタイプで良かったです」
むーちゃんの上達のポイント
- 「アスペクト比」とは、写真画面の縦横比のこと
- 自分のカメラは、アスペクト比を変えることが出来るか調べて見よう
- アスペクト比のそれぞれの特徴を生かして撮影しよう
- アスペクト比を変えると、写真の印象が大きく変わる
- 撮影後に画像をトリミングスしてアスペクト比を変えると、使用レンズの画角が変わるので注意
- 撮影時にアスペクト比を変えて撮った方が、正確なレンズの画角で撮影できる