むーちゃん(以下M)「ズームレンズのマクロ機能を使ってクローズアップ撮影したんだけど、なぜかピンぼけとブレた写真しか撮れてませんでした」
ケンケン(以下K)「むーちゃん、三脚は使ったのかな?」
M「いえ!頑張って手持ちで撮影しました」
カメラと被写体は、がっちり固定する
K「むーちゃん、いくら頑張ってもそれは無理じゃよ。クローズアップ撮影はカメラも被写体もがっちり固定して撮らないとな」
M「ええ!そうなんですか?」
K「だってむーちゃん、カメラが1mmでも動くと、ピントも写る範囲もずれたでしょう?」
M「確かに、顕微鏡かルーペを覗いている感じでしたね……」
K「まずは、カメラが動かないように固定しなくては……」
M「ということは、三脚を使うんですね?」
K「三脚だけではなく、シャッターを押すことでカメラが動かないようにレリーズも使うのじゃ」
M「ああ、ケーブルでカメラと繋いでシャッターを切るリモコンみたいなのですね。でも、私それ持ってないんです」
K「だったら、セルフタイマーをセットして使うのじゃ」
M「そうか、セルフタイマーを使えばカメラを動かさずにシャッターが切れるのか」
K「固定するのは、カメラだけではなく被写体も動かないようにする工夫が必要じゃな」
M「確かに、切手を撮ってる時、私の鼻息で位置が動いて困りました」
レンズの影に注意
K「クローズアップ撮影は被写体に極端に近づくので、自分やカメラやレンズの影が被写体に入りやすいのじゃよ」
M「それは気づかなかったな……でも、そういう時は内蔵フラッシュを使えば影が消えるのでは?」
K「残念ながら内蔵フラッシュは近すぎて使えないじゃろう……ますます影が出来てしまうぞ」
M「うーーーん、困りましたね……あ!スタンドのライトは使えませんか?」
K「さすが、むーちゃん!よく思いついたね」
M「えへへ……それなら家にもあります」
K「スタンドのライトも近くから当てると強い影が出やすいので、一度コピー用紙等の白い紙に反射させてから被写体に当てると良いのじゃ」
M「難しくないですか?」
K「簡単じゃよ!被写体を注意深く観察して強い影が出ていれば、コピー用紙を近づけたり、遠ざけたり、角度を変えたりして、反射させた光で影を薄くしてやればよいのじゃ」
M「室内ではなく屋外でクローズアップ撮影する時は?」
K「スタンドのライトの代わりにペンライトを使うのじゃ」
M「なるほど……逆に明るすぎて直射日光で影が強いときは?」
K「その時は、コピー用紙で日差しを遮ってやると良いのじゃ。日傘と同じ事じゃな」
M「ああそうか、だったら私は日傘持ってるので、それを使います」
K「白いビニール傘が、意外と遮光に使えるので1本用意しておくと便利じゃぞ」
ピントはどこに合わせる?
M「そうそうそれから、ピント合わせが凄く難しかったんですが、コツとかあるんですか?」
K「前に被写界深度の時に話したと思うけど、近くの被写体ほどピントが合って見える範囲が狭くなるのじゃ」
M「へぇークローズアップ撮影って究極に被写界深度が浅い状態なんですね」
K「そうなのじゃ、なので少しでも被写体から距離を取れば、ピントが合って見える範囲が少しでも稼げるのじゃよ」
M「ということは……ズームを望遠側にして少しでも離れて撮れば良いということ?」
K「そのとおりじゃ!それでもクローズアップ撮影は被写界深度が狭いので、ピント合わせは慎重にな」
M「それで、ピントはどこに合わせたら良いの?」
K「クローズアップ撮影で多い、花ならメジベかオシベじゃな。小動物や昆虫なら目じゃな。ピントはクローズアップ撮影に限らず、花はメジベかオシベ、人間や動物は目にピントを合わせるのが基本じゃな」
M「そうなのか……コインや切手みたいな平面な被写体は?」
K「平面な被写体なら、なるべくデジカメ(イメージセンサー)と平行になるようにして撮ると良いのじゃ」
M「平行にして?」
K「正確にはピントは点ではなく面で合うので、被写体とデジカメのイメージセンサーを平行にして撮れば、切手やコインの面全体にピントが合うのじゃよ」
M「何となく分かりました……(笑)」
むーちゃんの上達のポイント
- デジカメは三脚に固定する。
- シャッターはレリーズを使って切る。
- レリーズか無ければ、セルフタイマーを使う。
- 内蔵フラッシュは近すぎて使えない。
- フラッシュの代わりに、屋内ではスタンドのライトを使う。
- フラッシュの代わりに、屋外ではペンライトを使う。
- 日差しが強いときは、何かで遮りましょう。
- ズームを望遠側にして、少しでも離れて撮れば被写界深度がかせげる。
- 平面な被写体なら、デジカメ(イメージセンサー)と平行にして撮る。