ケンケン(以下K)「むーちゃんは「指フレーム」とか「指ファインダー」って知ってるかい?」
むーちゃん(以下M)「ん?「指パッチン」じゃなくて?」
K「それはポール牧でしょう(笑)左右の指をL字にして、組み合わせて覗くの見たことないのかな?」
M「ああ!あれか!スケッチ大会の時に美術の先生がそういうの教えてました。もう忘れたけど……」
K「日頃から「指フレーム」を覗いて、フレーミング(構図)の練習をしておくと良いのじゃ」
M「それだと、デジカメの電源入れて、レンズキャップを外して、ファインダーやライブビューを覗かなくても良いので楽ですね」
K「そうじゃな。なんと言っても、自分のカラダの一部を使ってフレーミングの練習ができるのが便利じゃな」
「指フレーム」のエア撮影で、構図の練習
M「なんだか、剣道や野球の素振りの練習みたいですね」
K「素振りは竹刀やバットが必要だけど「指フレーム」はカメラもレンズも必要無いのじゃ。自分のカラダの一部というフットワークの良さを生かして動き回るのじゃ」
M「この前、センスの良い写真を撮るためのポイントで教えてもらった、動き回って画面から主役以外を追い出せ!というヤツですか?」
K「そうじゃ、動き回って画面を切り取り、アングルを調整して、不要なモノを追い出すのじゃ」
M「想像したら、まるでエア撮影ですね(笑)」
K「「指パッチン」じゃなくて(笑)「指フレーム」の良い所はそれだけじゃないのじゃ」
M「他にも良いところがあるの?」
「指フレーム」のエア撮影で、レンズの画角を覚える
K「「指フレーム」でレンズの画角を覚えてしまうと、それがスケールになるのじゃ。「指フレーム」で必要な単焦点レンズやズームレンズの焦点(画角)がわかるのじゃよ」
M「うーーーん、それはかっこいいです。「指フレーム」で覗いて、さっと必要なレンズを取り出す……」
K「もっと慣れてくると「指フレーム」さえいらなくなるのじゃが、そうなるまでは「指フレーム」で練習じゃな」
M「そんなに便利な「指フレーム」のやり方、今すぐ教えてくださいよ」
「指フレーム」の実際
K「簡単じゃよ! L字形にした左右の指を上下に重ねて、どちらかの片方の目の前でフレームをつくるだけじゃ。そしてそのフレームを片眼で覗くだけじゃよ」
M「え!構図はわかるけど、そんなんで画角まで読めるの?」
K「それが練習すると目の前の「指フレーム」の位置で読めるのじゃよ。参考までにケンケンの参考値を書いてみようか」
M「参考になるかな?ケンケンは指も手も短いからな……」
K「それは、イラスト上の話でしょう?おまけに犬になってるし(笑)」
肩幅に両腕をまっすぐ伸ばした状態から、右手と左手の指を開いたまま「指フレーム」を作った場合
- 目から腕を一杯伸ばして50mmレンズの画角(人間の眼に近い標準画角)
- 目から約20cm離して28mmレンズの画角(標準的な広角)
- その中間(目から約10cm離して)で35mmレンズの画角(スナップ撮影にちょうど良い準広角、スマホのカメラやコンパクトカメラに多い画角)
右手と左手を上下に重ねて、親指と人差し指がひっついた状態で「指フレーム」を作った場合
- 目から腕を一杯伸ばして150mmレンズの画角(完全な望遠画角)
- 目から約20cmで80mmレンズの画角(見つめた感じの望遠画角、ポートレート向きの画角)
- その中間(目から約10cm離して)で100mmレンズの画角(さらにじっと見つめた感じの望遠画角)
M「うわぁ、ここまで教えてもらったら便利だわ」
K「でもむーちゃん、これはあくまでケンケンの指と腕の長さで測った画角だからね。個人差があるので、最初は自分でカメラのファインダーを覗きながら比べておけば正確なのじゃ」
M「うんうん、何度も繰り返すうちに精度も上がってきそうですね」
K「思い通りにレンズ(画角)を決めて、スマートに撮影できるようエア撮影に励むのじゃ」
むーちゃんの上達のポイント
- 「指フレーム」で、構図と画角をつかむトレーニングをしよう。
- 自分のカラダの一部というフットワークの良さを生かして、動き回るのがコツ。
- 動き回って画面を切り取り、アングルを調整して、不要なモノを追い出す。
- 「指フレーム」の位置で、レンズの画角を覚えよう。
- 自分の「指フレーム」の画角を、カメラを覗いて確かめておこう。