むーちゃん(以下M)「私のズームレンズは、今のミラーレス一眼を買った時に最初から付いてきたきたんだけど、これってどうなの?」
ケンケン(以下K)「むーちゃんに限らず、大半のエントリーカメラは、キットレンズとして標準ズームレンズがセットで付いてくるのじゃよ」
M「うんうん、それを標準ズームレンズというのは前に教えてもらったんだけど、おまけで付いてきたレンズで撮り続けても大丈夫なの?」
K「結論から言えば、写真を始めたばかりで右も左もわからない人は、このレンズからスタートするのが良いじゃろう。実際大半のビギナーはそうしているはずじゃよ」
M「それを聞いて少し安心しました」
K「真ん中の50mm(35mmフルサイズ換算値)を中心に、肉眼の画角に近いので使いやすいのじゃよ。むーちゃんが上手く使いこなせば、一年後でも新しいレンズを買う気にならないかもしれんな(笑)」
M「え、そんなに?」
K「標準ズームレンズは海外では「ストリート・ズームレンズ」とも呼ばれることもあり、普段の撮影にもってこいの万能レンズなのじゃ」
M「「ストリート・ズームレンズ」ってかっこいいですね(笑)」
K「標準ズームレンズにも、もちろん長所も欠点もあるので書きだしてみよう」
標準ズームレンズの長所
- レンズ交換をしなくてすむ。
- 広角と標準と望遠という3つのキャラを1本でこなす。
- 持ち運ぶ機材の量が減る。特に旅行に便利。
- 広角と標準と望遠の単焦点レンズ3本買うよりも安く済ませることができる。
標準ズームレンズの長所
- 全ての焦点距離で一定の光学性能を出すために、レンズの枚数が多くなる。
- 単焦点レンズより、大きい重い、暗いてぼけにくい。
M「なるほど……長所がそのまま欠点になっている感じですね」
K「標準ズームレンズに限らずズームレンズ全般に言えるのは、「レンズ交換をしなくてすむ」というのが最大の特徴じゃろうな」
M「そのために、大きくて重くて、暗いてぼけにくいのを我慢しているんですね」
K「そう言う事じゃな。でも1本のレンズで、相反する広角と望遠の特徴を併せ持つ標準ズームレンズは、まさしく万能じゃな」
M「確かに、キットで付いてくるお手軽レンズとは思えない性能ですね。その性能を上手に引き出せる方法はあるの?」
ズームレンズはお手軽レンズではない
K「それは、今むーちゃんはお手軽レンズと言ったが、標準ズームレンズをお手軽レンズと思わずに使う事じゃな」
M「ん?どういう事?」
K「ズームレンズはズームリングを回すと連続的に焦点距離が変わり、被写体の大きさが変わるじゃろう?」
M「ええ、そうですね。だから自分がどこにいても被写体をきちんと捉える事ができます」
K「そこが問題のじゃよ。ズーム機能は被写体を大きくしたり小さくしたりするために使うのはNGなのじゃ」
M「ええ!ダメなの?」
K「撮影条件によってはそういう使い方もあるが、それはズームレンズの機能の一部に過ぎないのじゃ」
M「撮影条件って?」
K「例えば、動物園で檻の外から動物を撮る時は、自分が近づけないので動物を望遠ズームで大きく写すじゃろう?」
M「なるほど、逆に狭い劇場で大きいステージを撮る時は、広角ズームでステージ全体が入る様にしますね」
K「ズームレンズをそういうふうに使うレンズだと思い込んでいる人が多いけど、それだと悲しいのう(笑)」
M「じゃあ、どう使いこなせばいいの?」
K「簡単じゃよ」
標準ズームレンズの賢い使い方
- 広角側で撮るのか、望遠側で撮るのか、標準位置で撮るのかを決めてから撮り始める。
- カメラを構えたら(ファインダーを覗いたら)ズームリングは動かさない。
- フレーミングとアングルは、ズームではなく自分が動いて調整する。
M「ああそうか、つまりズームレンズといえども単焦点レンズと同じ撮り方をするのか……」
K「そうしないと、いつまで経っても焦点距離ごとのレンズ感覚が身につかないからね」
M「その撮り方のためには、広角側と望遠側と真ん中の標準位置のそれぞれのレンズの特性を知っておく必要がありますね」
K「全部、ついこの前に教えたばかりじゃぞ」
M「……」
むーちゃんが知った標準ズームレンズの事
- 広角と標準と望遠という3つのキャラを1本でこなす優れ物。
- レンズ交換をしなくて済むし、荷物も減らせる。
- でも、単焦点レンズより重くて大きくて暗くなる。
- レンズ感覚を養うために単焦点レンズと同じ撮り方をした方が良い。
- ズームレンズでも撮影の基本はフットワークを生かして撮る。
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- キットレンズ, ストリートズームレンズ, 広角ズームレンズ, 望遠ズームレンズ, 標準ズームレンズ