むーちゃん(以下M)「ケンケンはフィルムカメラとデジカメとどちらを使った期間が長いの?」
ケンケン(以下K)「小学生の時、初めで自分のカメラを手にしてから40年近く経つけど、まだフィルムカメラを使っていた時代の方が長いかな……両方使ってた時期もあるしね」
M「へぇ、そうなのか」
K「でも、撮影コマ数からいえば、丁度同じくらいだと思うよ」
M「両方使って、どちらがいいですか?」
K「その質問は良くされるけど、フィルムとデジタルは同じ写真でも全く別なモノなんだよ。同じ曲をレコードとCDで聴いてどちらが良いかという質問と似てるな」
M「でも、今はフィルムカメラで写真撮ってる人見ませんよね?」
K「それだけ世の中がデジタルカメラのメリットを受け入れたと言う事だろうね」
M「私はデジカメしか使ったことがないので、そのデジタルカメラのメリットというモノがわからないんです」
気軽に簡単に撮れる
K「一言でいえば、気軽に簡単に撮れると言う事じゃないかな」
M「フィルムカメラは、気軽に簡単に撮れなかったの?」
K「現像とプリントが上がるまで、ちゃんと撮れたかどうかわからなかったからね。卒業式や運動会や修学旅行なんかで撮れてなかったら、もう一回やるわけにはいかないでしょう?」
M「あーそうか……今じゃ信じられませんね(笑)撮り直しがきかない行事は凄い緊張感ですね」
K「まさしく1発勝負じゃな」
M「そのほかにもメリットはあるの?」
撮ったその場で撮影結果が見られる
K「たくさんあるよ。今言った、撮ったその場で撮影結果が見られるというのは、失敗がその場でわかり撮り直せるという事だよね。これは写真の上達の近道なんじゃよ」
M「ああそうか……早く上達したいなら、いつもカメラを持ち歩いてたくさん失敗しなさいと良く言ってましたよね」
フィルムと現像いらずで経済的
K「おまけにフィルム代と現像代もかからないだろう?お金を気にせず何度も失敗して撮り直しが出来る……それこそ上達の近道じゃな」
M「フィルムと現像代っていくら位してたんですか?」
K「プロがよく使うポジフィルムだと、36枚撮りで1本約1000円、現像代も同じく1本約1000円、トータルで約2000円と言ったとこじゃな」
M「確かにバンバン撮るにはバカにならない値段ですね」
K「デジカメだと誰でもドンドン失敗して腕を磨けるから、プロになるための経済的な要因はだんだん無くなってきているんだよ」
M「デジタル化はプロにとって、同業者が増えて嬉しくないことなの?」
K「確かにそれもあるだろうけど、仕事の上でのメリットの方が多いと思うよ」
M「例えばどんなの?」
K「何と言っても、ちょっとした失敗なら撮影後でも修正してごまかせることかな(笑)大きな失敗をするプロは少ないけど、プロといえども小さな失敗は良くあるのじゃよ」
M「それは以外ですね」
K「それに撮影スタイルも随分と変わったと思うよ。例えばフィルムの製造時期ごとの色のばらつきを抑えるために撮影時にカラーフィルターで補正してたけどその必要もないよね。ポラロイドで試写の必要もなくなったし、単独露出計を使うプロも減ってきたね」
M「へぇ、仕事がやりやすくなって来たんですね」
K「緊張感やテクニックから解放されたと言う事は、逆に言えばプロらしくなくなってきたと言う事でもあるんだけどね」
M「他にもプロに撮ってのメリットはあるの?」
K「現像に出さなくて良くなったので、現像所から写真の情報がリークする心配が無くなったね。たとえば、発表前のカタログ用写真から新製品の写真がリークしては困るだろう」
M「そいいう事情もあるのか……一般の人にとってもメリットはまだあるの?」
1カットごとでも写真効果を変えて撮れる
K「デジカメの設定を変えることで、1カットごとでも白黒にしたり、セピアにしたり、鮮やかにしたり、落ち着いた色調にしたり、粒子を粗くしたりと写真をコントロール出来るメリットもあるね」
M「ああ、そうか……フィルムで変えようとすると、それぞれ違ったタイプのフィルムを買ってその都度フィルム交換しないといけませんよね」
写真が褪色劣化しない
K「フィルムやプリントは、空気と光により画像が年月と共に褪色劣化してしまうんだよ」
M「ええ!そうなの?デジカメで撮った写真データは何年経っても色が変わりませんよね?」
K「だから、ケンケンも昔の写真をフィルムスキャナーで読み込んでデジタル化し、記憶を元に画像ソフトで色を取り戻しているんだよ」
M「わぁ、気の遠くなる作業ですね。私は最初からデジカメで撮ってて良かったわ」
コピーとバックアップが簡単にできる
K「デジカメで撮った写真データは、原板が一枚しか無いと言う事がないから安心じゃな」
M「そうですよね、バックアップをとっておけば、原板が壊れてもバックアップのデータが同じように使えますね」
地球にやさしい
K「むーちゃん、フィルムで撮った写真は銀塩写真って呼ばれるの知ってた?」
M「はい、最近デジタルと比較するときに良く聞きます」
K「実はフィルムも印画紙も銀を含んでいるんだよ。その上、現像時には大量の化学薬品を使うんだ」
M「と言う事は、デジカメは現像しないので地球にも優しいって事?」
K「そのとおりじゃな、現像だけでなく記録メディアも消しては書き込み再利用してるし、バッテリーも充電しながらリサイクルしておる」
M「そうか、エコなんですね。うちのプリウスが世界的にヒットしたのと同じで、デジカメもエコの普及に一役買っていますね」
K「そのとおりじゃな」
ケンケン直伝!上達のためのアドバイス
- フィルムとデジタルは同じ写真でも全く別なモノ。
- デジカメは、気軽に簡単に撮れる。
- デジカメは、撮ったその場で撮影結果が見られる。
- デジカメだと、ドンドン失敗して腕を磨けるので写真の上達が早い。
- デジカメで撮った写真は、撮影後でも修正ができる。
- デジカメは、1カットごとでも写真効果を変えて撮れる。
- デジカメで撮った写真は、褪色劣化しない。
- デジカメで撮った写真は、コピーとバックアップが簡単にできる。
- デジカメの撮影スタイルは、地球にやさしい。