写真とカメラのトリビア

 

ケンケン(以下K)「今日の五限は、語源のトリビアじゃ。読んでも決して写真は上達しないので、最初に言っておくのじゃ」

むーちゃん(以下M)「わぁ、凄い自虐的おやじギャグですね(笑)」

「写真」の語源

K「写真は英語で何と言うのかな?」

M「えーと「photograph」と習いました」

K「そうじゃな。「photograph」の「photo」は光、「graph」は画なので、直訳すると「光画」になるのじゃ」

M「そうか「光で描く絵画」というニュアンスですかね。確かにそうですね。でもなんで日本では「写真」と呼ばれるんでしょうねぇ?」

K「それが最初のトリビアじゃ。実は、江戸時代に初めてカメラらしき物が日本に持ち込まれたときに、平賀源内が「写真鏡」と名づけたらしいのじゃ」

M「ああ、わかる気がします。当時の人はカメラを見てかなり驚いたでしょうね?」

K「カメラと言っても今と違って木箱の様なものじゃが、写る仕組みうんぬんよりも「鏡のように真実を写す」結果にインパクトを受けたのじゃろう」

M「うんうん、それで「写真鏡」と言ったのですね。上手いこと言いますね」

K「カメラが木箱から機械らしくなって「写真鏡」から「写真機」と呼ばれ、「写真」という言葉が定着したんだろうね」

M「なるほどです……」

「カメラ」の語源

K「「カメラ」はギリシャ語で部屋という意味じゃそうじゃよ」

M「え?部屋?」

K「紀元前に「カメラオブスキュラ」という部屋があったそうじゃ。「オブスキュラ」というのは、ラテン語で「暗い」と言う意味らしいのじゃ」

M「ということは、暗い部屋、つまり「暗室」のことかな?」

K「そうじゃな、暗室の壁に小さな穴をあけて、ピンホールカメラの原理で反対の壁に像を映していたそうじゃ」

M「そうか、紀元前じゃレンズすらありませんよね」

K「天地左右反対に映し出される像で、スケッチの練習をしていたそうじゃな」

M「それも凄いアイディアだけど、部屋ごとカメラで、持ち運べないところが困りますね」

K「そのとおりじゃ、当時の人もそれを不便に感じて「カメラオブスキュラ」を持ち運べる様に小型化を考えたんじゃよ。そのために効率よく光を集めるレンズと言うモノが発明されたのじゃ」

「レンズ」の語源

K「ところで、むーちゃんはレンズ豆って知ってる?」

M「はい、レンズ豆のカレーというのを食べたことがあります。美味しかったですが、どれがレンズ豆なのか全然わかりませんでした……」

K「むーちゃんらしいな(笑)調理前のレンズ豆というのは、凸レンズのような形をしておるのじゃ」

M「ああ!それでレンズ豆って言うの?」

K「実はケンケンもこの前までずっとそう思っていたのじゃ」

M「え?まさか違うの?」

K「本当は真逆で、レンズ豆に似ているからレンズと名前がついたのじゃ」

M「と言う事は、レンズの発明よりも豆の方が古くからあるのか……」

K「そうじゃな、レンズ豆はレンズの発明されるずいぶん前、古代ギリシャや古代エジプトの時代から食されていたそうじゃよ」

M「レンズの語源が豆とは面白いですね」

Canonの語源

K「Canonを知らない人はいないだろうけど、キヤノンの意味を知らない人はたくさんいるじゃろうな」

M「Canonのカメラ憧れます!いつか手に入れたいですね。でも、確かにCanonの意味は考えた事もなかったです」

K「観音様じゃよ。カンノン様!」

M「またまた冗談でしょう(笑)「キヤノン」と「カンノン」では無理があるでしょう」

K「じつはむーちゃん、Canonの前身の会社が日本で初めて小型カメラを作ったとき、それを「KWANON(カンノン)と名付けたのじゃ」

M「本当なの?(笑)」

K「本当じゃよ。観音菩薩の慈悲にあやかりたいという思いでつけたそうじゃ。それが証拠にカメラの軍艦部には観音様が刻印されているのじゃ」

M「ひぇーカメラと観音様のマッチング!凄いな……」

K「おまけに、そのカメラのレンズは「KASYAPA(カシャパ)」と命名されておる。お釈迦様の弟子の名前じゃそうじゃ」

M「うわぁー奥が深すぎます……」

MINOLTAの語源

K「むーちゃんはMINOLTA(ミノルタ)というカメラメーカーを知らんじゃろう?」

M「なんか聞いたこともあるような気もしますけど……」

K「今のSONYのαシリーズじゃよ。MINOLTAのカメラ部門はSONYに引き継がれてSONYのデジカメとして生まれ変わっているのじゃ」

M「そんなに有名なカメラメーカーなの?」

K「初めてオートフォーカスのカメラを作ったり、女優の宮崎美子さんもMINOLTAのTVCMでデビューしたのじゃよ。懐かしいのう……」

M「そんなんだ、それで語源はまさか「稔る田」じゃないでしょうね(笑)」

K「そのまさかじゃよ(笑)創業者のお母さんが「稔ほど頭を垂れる稲穂のように、常に謙虚な気持ちを忘れないように」と言っていたらしく、その気持ちを忘れないように「MINOLTA(稔る田)」と命名したそうじゃ」

M「へぇ~お母さん思いなんですね」

K「MINOLTA(ミノルタ)のレンズは「ロッコール」と言うのじゃが、これは創業地に近い六甲山にちなんで命名されたと言われておるのじゃ」

M「へぇ~意外と和風なんですね(笑)」

おまけ

K「和風といえば、極めつけはケンケンも一時使っていた「ZenzaBronica(ゼンザブロニカ)」という中型カメラじゃな」

M「面白い名前ですね(笑)」

K「この名前は、創立者の「善三郎」という名前と、使用するフィルム「ブローニー版」と、「カメラ」を組み合わせて「ZenzaBronica(ゼンザ・ブロニ・カ)」と命名したとも言われているのじゃ」

M「うわぁ~(笑)、カメラって時代の最先端機器って感じだけど、命名は意外とアナログなんですね(笑)」

むーちゃんの上達のポイント

  • 今回は何も上達するポイントはありません(ゴメンナサイ)
  • 最後までお読みくださり、ありがとうございました(ペコリ)