むーちゃん(以下M)「私のデジカメは、買った時に既に「標準ズームレンズ」と言うズームレンズが付いていたけど、いったい何が標準なの?」
ケンケン(以下K)「標準レンズの焦点距離を中心に、広角側と、反対の望遠側に画角を変えられるズームレンズという事じゃよ。今では当たり前じゃが、1本のレンズで広角と望遠の両方が撮れるのは、一昔前は考えられなかったことじゃよ」
M「その、標準レンズって何なの?価格帯が中間クラスと言う事?」
K「そうか……むーちゃんの世代は、標準レンズと言うレンズを知らないのじゃな」
標準レンズと標準ズームレンズとは?
M「はい(笑)、標準ズームレンズと違うんですか?」
K「「標準レンズ」というのは、肉眼に近い遠近感で写せる単焦点レンズのことじゃよ」
M「単焦点レンズと言うことは、ズームレンズじゃないんですね」
K「そうじゃよ。標準レンズは焦点距離が35mmフルサイズ換算で50mm(APS-Cで35mm、マイクロフォーサーズで25mm)じゃよ」
M「私の標準ズームレンズは、35mmフルサイズ換算で24mmから80mmのズームです。確かに、50mmの焦点距離は標準ズームレンズのほぼ真ん中になりますね」
K「そのとおりじゃな。フィルムカメラの時代は、50mmの単焦点レンズがキットレンズとして付いていたのじゃ」
M「へぇ~、当時はみんなそこからレンズを覚えていったんですね」
K「そうじゃ。むーちゃんの時代は、いきなりズームレンズからスタートなので敷居が高いのじゃよ」
M「ズームレンズは便利だとは思うけど……時々、自分が広角で撮っているのか、望遠で撮っているのかわからなくなるんです」
K「そうじゃろうな……広角や望遠の効果は、真ん中の標準レンズの画角がわかってこそ使いこなせるようになるのじゃよ」
まずは「標準」である「真ん中の焦点距離」を覚えよう
M「私は「標準ズームレンズ」と言うのは、みんなが持っているから「標準ズームレンズ」というネーミングかと思っていました(笑)」
K「ほうほう(笑)、だったらクイズなのじゃ」
「標準レンズ」や「標準ズームレンズ」の「標準」って?
- みんなが持っているから「標準」?
- 価格帯が中間クラスだから「標準」?
- 人間の肉眼に近い遠近感で写せるから「標準」?
- 全ての被写体が撮れるレンズだから「標準」?
- 全てのレンズ設計の基本となっているから「標準」?
M「ええ~全部正解に見えるけど~」
K「そうじゃ、正解じゃよ。むーちゃん、実は回答は全部正解なのじゃ」
M「わぁーい!「標準」と呼ばれるけど、実は特別な焦点距離なんですね」
K「そうなのじゃよ。まずは特徴から覚えていこう!」
標準ズームレンズの真ん中位置「標準焦点距離」の特徴
- あまりにも自然な描写でインパクトがない。
- 見た目に近い遠近感と歪みの少ない描写。
- だからこそ、見たままの空間を切り取ることが出来る。
- 素直な描写で、被写体とじっくり向き合う事も出来る。
M「うーーーーん。地味ですね(笑)」
K「この地味さ加減を見て拍子抜けするか、それとも特徴と捉えてチャンスにするか。そこが「標準焦点距離」の使いこなしの分かれ道なのじゃ」
M「難しいですね(笑)。実際、どんな撮り方をしたら良いの?」
K「「標準焦点距離」では、フットワークが命なのじゃ!」
標準ズームレンズの真ん中位置「標準焦点距離」の撮り方
- 画角ではなく、被写体との距離感で撮るのが最大の特徴。
- まずは、ズームで画角を変える撮り方から離れてみる。
- 画面にそれぞれ距離の違う被写体を入れて、広角レンズの様に撮ってみる。
- 1点にピントを合わせて、望遠レンズの様に撮ってみる。
- 意識的に余白を入れて空間をつくってみる。
M「なるほど、自分が動き回って撮るということか……なんだか、楽しそうです(笑)」
K「そうじゃ。もしも構図に迷う様だったら、まずはズームの真ん中の位置で撮ってみるのじゃ」
M「うんうん、きっと見た目のままの空間を切り取る事ができるでしょうね」
K「とっさの時のシャッターチャンスやスナップ撮影も、ズームの真ん中の位置で撮ると撮りやすいのじゃよ」
M「だったら、シャッターを切ったら直ぐに、ズームを真ん中にしておく習慣をつけると良いですね」
K「そうじゃな。真ん中は標準で、両端にいくほどアブノーマルと覚えておくと良いのじゃ」
M「ケンケン、相変わらず大げさね(笑)」
むーちゃんが知った、標準ズームレンズの真ん中(標準焦点距離)のまとめ
- 標準ズームレンズの真ん中位置は、「標準焦点距離」である。
- 標準ズームレンズの真ん中位置は、レンズの基準である。
- 標準ズームレンズの真ん中位置を境に、広角と望遠に分かれる。
- 真ん中位置で固定して、ズームで画角を変える撮り方から離れてみよう。
- 真ん中位置で固定して、被写体との距離感で撮ることを覚えよう。
- 真ん中位置で固定して、広角や望遠のように撮ってみよう。
- 画角やアングルはズームで決めずに、フットワークで決めよう。